禅語に学ぶ1 眼横鼻直「がんのうびちょく」 | 曹洞宗 黒羽山 大雄寺
作成者: 曹洞宗 黒羽山 大雄寺-総萱葺き屋根の禅寺
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投稿日:2008年11月26日
今から750余年前曹洞宗開祖道元禅師は、24歳の時中国に留学し、天童寺如浄禅師に学ばれ、28歳で帰国。帰国後の第一声が「空手還郷」クウシュゲンキョウ、「眼横鼻直」ガンノウビチョクというものでした。
空手還郷とは、「経典や仏像など持ち帰らず、手ぶらで祖国日本に帰ってきました」。
眼横鼻直とは、「眼は横に鼻は縦についていることがわかった」と言われたのです。
読んで字の如く、「あたりまえ」という意味で、人間として如何に生きるか、あたりまえをあたりまえに行ずることであります。仏教や禅というと、私たちは特別なものとして構えてしまいますが、そうではなく、自分の足元をしっかりと定め、日常生活が真剣に修行として行ずるならば、そこにこそ仏になる道がひらけてくるということを示されたのです。
私たちは、あたりまえをあたりまえに行じているだろうか? 食事をすること、掃除をすること、風呂に入ることなど。
食事とは
私たちが食する野菜の生命や魚の生命、肉の生命など動植物の尊い生命の犠牲の上に成り立っていること。動植物の生命を食することにより私たちの生命が保たれています。だから「生命をいただきます」と感謝していただいているのです。生かされているのです。
掃除とは
周りが綺麗であれば掃除はしない、汚れているから掃除をする。ということでなく、自己を磨くこと。己の心を磨くことが掃除であります。
これらあたりまえの日常生活の営みを真剣に行じていくことが、眼横鼻直の意味するところであります。
日常生活を真剣に行じることが、すべての人が宿している、仏さまの種(仏性・仏心)が芽を出し育ち、花が開くのであります。
大雄寺住職 倉澤良裕 記す