TSMC「日本は理想的な場所」工場進出に沸く列島 – 日本経済新聞
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ソース: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC107F80Q3A810C2000000/
保存日: 2024/02/07 8:00
2024年末の出荷開始まで1年を切った半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の熊本工場。2月24日には開所式を迎えます。地元は活況に沸き、国内企業のみならず外資系企業の半導体投資熱も各地で高まっています。受け入れ側の自治体や企業、進出する台湾本社などの姿や思いを追いました。
(1)TSMC進出「夜明け」沸く九州 経済効果10年で20兆円超
年末に出荷を控える台湾積体電路製造(TSMC)の新工場(1月、熊本県菊陽町)
熊本県菊陽町の無人駅からニンジン畑を抜けた先、阿蘇の外輪山を望む丘陵地に立つTSMCの「1兆円工場」。九州・沖縄・山口への経済波及効果は10年間で20兆円超と試算され、名だたる企業が次々と工場を新設・増強するなど関連産業が引き寄せられています。台湾から人材も渡り、活況に沸く地元は変貌を遂げつつあります…記事を読む
(2)「日本は理想的な場所」 TSMC幹部、工場進捗速度も評価
「日本の意地が伝わった」。2023年12月、TSMCは取引先の首脳らを集めた会合で、熊本工場の建設を担う鹿島などを特別表彰しました。圧倒的な建設スピードでの「垂直立ち上げ」に、日本は官民で応えました。海外生産に消極的だったTSMC。日本が信頼を勝ち得れば、予定される第2工場に加え、さらなる展開も視野に入ります…記事を読む
(3)ソニーグループがTSMCに送った「遣台使」 技術移管担う
ソニーグループの吉田憲一郎会長CEOもTSMCのAI活用工場を参考にする
1月、熊本県菊陽町のTSMC新工場で、台湾から日本へと製造技術の移管が本格的に始まりました。大役を担うのが、工場計画に参加するソニーグループの半導体技術者約200人の「遣台使」です。世界最先端の品質や開発手順の管理のノウハウなど、TSMCの取引先になれば得るものは多いといいます。世界上位を占める日本の素材や装置会社との連携は、TSMCにも利があります…記事を読む
(4)「世界的企業で働ける」 TSMC進出、高まる半導体投資熱
マイクロン広島工場は若手技術者の積極採用を進める(1月中旬、広島県東広島市)
1月9日、台湾力晶積成電子製造(PSMC)ジャパン社長が東北大学学長に研究開発の協力を打診しました。PSMCは宮城県で8000億円をかけて半導体工場を建設します。他の外資系企業も続々と日本への積極投資を表明、5社で投資額は約2.5兆円となり、日本政府が約8500億円を補助します。TSMC進出から始まった半導体投資熱。雇用や人材育成など波及効果が出ています…記事を読む