新NISAで上がる株の3条件 コバンザメ投資も注目 – 日本経済新聞
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ソース: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB105L00Q3A111C2000000/
保存日: 2023/11/13 8:07
写真はイメージ=PIXTA
2024年1月に始まる新しい少額投資非課税制度(NISA)。年明けから投資を始める人が増えそうだが、それに「先回り」すればさらに利益を得られないだろうか。後編の今回は具体的に「新NISAで上がる期待の高い株」を探していく。
先回り作戦の1つ目は、「高配当」「低PBR」「低時価総額(小型)」という、2014年に効いた3ファクター(要因)が全てそろった銘柄を狙うことだ。第1回の記事で紹介したように、NISAが初めて実施された2014年には、「高配当」「低PBR」「小型」というファクター(要因)が株価にプラスに働いていた。相場環境の似た今回も、その3ファクターが全てそろう銘柄を狙う戦略には期待できるかもしれない。
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上記の試算を行った智剣・Oskarグループの大川智宏さんは低PBR株や高配当株の中でも、さらに「株主還元の拡大余地があるか」で銘柄を絞り込むことを提案する。
下の表の銘柄は大川さんの助言に基づき、利益に対する配当の割合を示す配当性向が50%未満、財務体質が良好(「自己資本比率が50%以上」「手元資金から有利子負債を引いたネットキャッシュがプラス」)であるといった要因も加味して編集部が選んだ銘柄の一例だ。
低PBR、高配当利回り、低時価総額という3条件を満たし、株主還元拡大余力もあると思われる企業の例。データは11月9日時点
和島英樹さんは「小型株は東証の要請があっても、超大型株ほどには真剣にPBR1倍割れの解消を目指さない可能性がある」とも指摘する。投資する前には各社のIR(投資家向け広報)もチェックし、増配や自社株買いなどの方針を示しているかも確認したい。
「ETFコバンザメ」作戦
2つ目の作戦は、初心者の買いも集めそうな投信やETF(上場投資信託)の組み入れ銘柄を狙う「コバンザメ作戦」だ。個別株を選ぶ経験が乏しい初心者は、投信やETFを選ぶ人が多いと思われる。この点で注目されるのが、国内で9月に解禁されたアクティブETF。
中でも、スゴ腕個人投資家の夕凪さん(ハンドルネーム)が注視するのが、低PBR株に投資する「PBR1倍割れ解消推進ETF」だ。PBR1倍割れ解消は日本株市場で主流のテーマだが、低PBR株のインデックスはなく、従来のETFでは低PBR株への分散投資を行えなかった。同ETFの登場で、初心者のお金が「メジャーではない低PBR株」に回るルートがで出来たとも言える。
「ベテラン投資家の間でも、同ETFの組み入れ銘柄への先回り投資は注目され、息の長いテーマになるかもしれない」(夕凪さん)
下表は同ETFの組み入れ銘柄の中から、なるべく配当利回りが高く時価総額の低い銘柄として選んだ一例だ。
「PBR1倍割れ解消推進ETF」組み入れ銘柄の一例。データは11月9日時点
6月デビューの新指数
6月に誕生した「日経累進高配当株指数」も注目されている。毎年ではないが着実に増配を続けているという基準で選ばれた30銘柄で構成され、「プロから見てもコンセプトや構成銘柄の評価が高い」(大川さん)。連動する投信やETFはまだ登場していないが、同指数の構成銘柄は安心感のある投資先候補として初心者に選好される可能性がある。下記は同指数の採用銘柄の中で、比較的時価総額の低い中から選んだ5銘柄だ。
「日経累進高配当株指数」採用銘柄の例。データは11月9日時点
(臼田正彦)
[日経マネー2023年12月号の記事を再構成]
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