高配当株で資産2億円 配当は年470万円でFIRE果たす – 日本経済新聞
作成者:
ソース: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB2122Q0R20C23A8000000/
保存日: 2023/09/01 8:13

サンフロンティア不動産の株主優待で宿泊したHIYORIチャプター京都トリビュートポートフォリオホテル

配当生活を送るすご腕投資家の2人目は、投資歴約25年で50代のペリカンさん(ハンドルネーム)。小売業の企業に勤める会社員だったが、2019年に退職して専業投資家に転身。配当収入を収入源として、FIRE(経済的自立と早期リタイア)を果たした。

ペリカンさんの運用資産は約2億円。昨年の配当収入は約470万円で今年は500万円を超える見込みだ。年に1〜2回、生活に必要な分を証券口座から普通預金口座に移し、残りは再投資に回す。
ペリカンさんの配当生活は配当収入だけでなく、株主優待にも支えられている。
「カタログ優待で届く食品を食べたり、磯丸水産や吉野家など優待が使えるお店で食事を取ったりして大幅に生活費を抑えている。年間で約100万円近くは優待で節約している」と話す。
旅行先でもサンフロンティア不動産の優待割引券が使えるホテルに泊まるといった工夫を欠かさない。

塩漬け株から高配当を意識

ペリカンさんが配当株投資に妙味を感じたのは任天堂がきっかけだ。実は投資を始めた当初の目的は「配当ではなく、値上がり益だった」と言う。そのため、07年ごろは任天堂株を100株買い、価格がちょっと上がったら売るということを繰り返して利益を上げていた。
しかし、任天堂の株価はリーマン・ショックを機に大幅に下落。「ナンピンをし続けていたが、売るタイミングがなかなか来ず、塩漬けになっていた」と振り返る。
一方、保有株数は1000株になっていたため、配当は増加した。「17年3月期には任天堂だけで年43万円の配当収入を得た。高配当株を買い続けていけば、もし株価が下がって塩漬けになっても、配当収入だけで生活できるようになるかもしれないと気づいた」
そこからは給料の多くを、銀行株などの定番の高配当株を買うための資金に費やした。19年には株の運用資産が7000万円を超え、配当収入と株主優待でほとんど生活費を賄えると判断。FIREに踏み切った。

今年から売りのルールを変更

ペリカンさんの投資方針の基本は超長期保有だ。配当利回り4%以上、自己資本比率40%以上、直近5年の営業利益の平均伸び率が5%以上、過去に配当をやめた経験がないといった条件を参考に銘柄を選んでいる。

昨年までは売りのルールとして、株価が配当金の10年分程度上がったら、配当の先取りとして売ると決めていた。しかし、今年から方針を変えた。「本格的なインフレ局面に入ったと判断し、値上がりしても売らないようにしている」
昨今は売上高の海外比率が高めの高配当株に注目しており、パソコンメーカーのMCJや自動車向け部品を手掛けるパイオラックスなどの購入を検討している。
(田中創太)
[日経マネー2023年10月号の記事を再構成]
【連載「新NISAで始めよう 憧れの配当生活」記事一覧】
• (1)資産7億円、配当は年1700万円 悠々自適な人生を満喫
• (3)配当の受け取りには期限がある 仕組みをおさらいしよう
• (4)株高局面でも安定高配当株を探す 銘柄選びのポイント
• (5)少額で買える銘柄で分散 新NISAで高配当株を買うコツ
• (6)高配当株で指数を上回る 「東証の犬」戦略は今年も有効
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。
• ひとこと解説私も株式投資は主に高配当株を買っている。高配当で財務内容が良く、将来的にも経営が安定している株が、リーマンショックやコロナショック時など、安くなる時に買って、保有し続けている。持ち株が値下がりするのはもちろん嫌だが、あまりキャピタルゲインはあてにしていない。ただし、高配当株で将来性があっても、過度に経営者の存在に依存しているところは買わないことにしている。