物言う株主、ディズニーとの委任状争奪戦「終了」発表(写真=ロイター)
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ソース: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN09DFY0Z00C23A2000000/
保存日: 2023/02/10 7:50
2023年2月10日 0:44
ペルツ氏は「ディズニーは我々が求めていたことを全て実施する計画だ」と委任状争奪戦終了の理由を説明=ロイター
【ニューヨーク=竹内弘文】米アクティビスト投資家(物言う株主)トライアン・パートナーズを率いるネルソン・ペルツ氏は9日、米CNBCの番組で、ウォルト・ディズニーに対する委任状争奪戦を取りやめると発表した。収益力の回復を訴え取締役の選任案を株主総会に諮る予定だったが、会社側が人員削減を含む大規模なコスト削減を発表したことで転換した。
ディズニーが8日に発表したリストラ策には従業員の3%に相当する7000人の削減に加え、広告費やコンテンツ投資の見直しを通じた動画配信サービスの立て直しが含まれていた。トライアンの提案に重なる部分が多く、ペルツ氏は「ディズニーは我々が求めていたことを全て実施する計画だ」と説明。「ボブ(・アイガー最高経営責任者)や経営陣、取締役の成功を祈っている。我々は見守っている」とも述べた。
トライアン側の提案に他の投資家の賛同を勝ち得るほどの新味がなくなったうえ、トライアンが提案を公表してから株価がすでに1割超上昇していることから委任状争奪戦の終了を決めたようだ。トライアンの広報担当者も「委任状争奪戦は終了した。全ての株主にとっての勝利だ」とする声明を出した。
8日付で米証券取引委員会(SEC)に提出した資料によると、トライアン側はディズニー株を約940万株、8日終値換算で約10億5000万ドル(約1370億円)保有している。委任状争奪戦の終了に伴って保有株を手放すかどうかは明らかにしていない。
発表を受け、ディズニーは「委任状争奪戦に心を乱されることなく、取締役会と経営陣が仕事に集中できることを嬉しく思う」と声明を出した。トライアンへの謝意を示し、「持続的な成長と収益性を再び実現する」とした。
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