FRB議長、インフレ鈍化「かなりの時間」 雇用統計受け
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ソース: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN07D220X00C23A2000000/
保存日: 2023/02/08 7:39

2023年2月8日 5:37

FRBのパウエル議長㊨は、インフレ鈍化のプロセスは始まったばかりだと強調した(7日、米ワシントン)

【ワシントン=高見浩輔】米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は7日、労働市場や物価の指標で強い数字が続けば「市場で織り込まれているよりも政策金利を引き上げなければならないかもしれない」と話した。今後の金融政策はデータ次第で判断するという従来通りの姿勢を強調した。
ワシントン経済クラブの対談イベントに登壇したパウエル氏は、3日発表された1月の雇用統計について「誰も想定していない強さだった」と振り返った。そのうえで「なぜ私たちが(インフレを抑える)プロセスにかなりの期間を要すると考えているのかを示している」との見解を示した。
1月の雇用統計は非農業部門の就業者数が市場予想を上回る伸びとなり、米債券市場で金融引き締めが長期化するとの見方が広がっていた。
パウエル氏は「インフレ鈍化のプロセスは始まっているが、まだ先は長い」とも指摘した。家賃を除くサービス価格で物価上昇の加速が止まっていないことに改めて懸念を示した。2023年にはインフレ率が大幅に下がるという従来通りのシナリオを説明しつつ、その道のりは「なめらかではなく、デコボコになるだろう」と市場の楽観論にクギを刺した。
米議会で調整が難航している政府債務の法定上限の引き上げについては「結論が遅すぎた場合、(債務不履行に陥った後の)金融市場や経済を守る力はFRBにはない」と警鐘を鳴らした。
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