11月の米住宅着工、前年比16.4%減 需要低迷続く(写真=ロイター)
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ソース: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN20CY70Q2A221C2000000/
保存日: 2022/12/21 7:59

米住宅着工件数は前月から0.5%減少(米カリフォルニア州)=ロイター

【ニューヨーク=佐藤璃子】米商務省が20日発表した11月の住宅着工件数は142万7000戸(季節調整済み、年率換算)と10月の改定値から0.5%減少し、7月以来の低水準となった。ダウ・ジョーンズまとめの市場予測(140万戸)は上回った。前年比では16.4%減少した。住宅ローン金利の高止まりなどを受け需要は低迷しており、米住宅市場の冷え込みは続いている。
最も大きな割合を占める一戸建ての着工件数は82万8000戸となり、前月を4.1%下回った。前年同月からは32.1%減少した。変動が激しい5世帯以上の集合住宅は58万4000戸と前月比4.8%増加した。前年同月比では24.5%増え、4月以来の高水準となった。
先行指標である許可件数は134万2000戸で前月比11.2%減り、2020年4月以来の落ち込み幅を記録した。前年同月からは22.4%下がった。一戸建ての許可件数は78万1000戸で前月を7.1%下回り、5世帯以上の集合住宅は50万9000戸と17.9%減った。

米PNCフィナンシャル・サービシズのエコノミストは「住宅ローン金利の高止まりが住宅需要を冷やしている。購入のための審査基準が厳しくなったことや新型コロナウイルス禍以降の急激な価格上昇も重荷になっており、住宅建設は23年も減速し続けるだろう」と指摘した。
米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)によると、30年固定の住宅ローン金利(週平均)は足元で6.31%と、ピーク時の7%台からは低下したものの依然として高水準で推移している。