米議員、FTCにTwitter調査要請 カーン委員長に公開書簡(写真=ロイター)
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ソース: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN1808X0Y2A111C2000000/
保存日: 2022/11/18 8:09

FTCのリナ・カーン委員長は米テック企業への監視を強めている=ロイター

【シリコンバレー=白石武志】米連邦議会のウォーレン上院議員(民主党)らは17日、米起業家のイーロン・マスク氏が買収した米ツイッターが利用者の安全などを故意に軽んじているとして、消費者保護を担う米連邦取引委員会(FTC)のリナ・カーン委員長に調査を要請した。法令や過去の合意命令に反する行為に対しては、民事制裁の適用や幹部個人への責任追及を含む強制措置を執るよう求めている。
リベラル派の代表格であるウォーレン氏やブルーメンソル氏ら民主党の7人の上院議員が17日、連名でFTCのカーン委員長宛てに公開書簡を送った。議員らは「この数週間、ツイッターの新しい最高経営責任者(CEO)に就いたマスク氏はプラットフォームの整合性と安全性を損なうような驚くべき行動をとった」と指摘し、消費者保護法違反がないかを調査するよう求めている。
具体的にはマスク氏が有料サービス「ブルー」の特典の一部とした本人確認済みの「認証済みバッジ」について、詐欺や不正行為、なりすましに悪用されるおそれがあると指摘した。同氏が利益を優先するために主要な従業員らを解雇し、社内のプライバシー保護対策を後退させ、エンジニアに新機能の法的責任を押しつけたとも批判している。
ツイッターは過去のアカウント乗っ取り事件を調査したFTCとの間で、2011年に個人情報の管理を厳格にするよう求める命令に合意している。議員らはマスク氏による買収後の組織やサービス面における急速な変更が、この際の命令に違反するおそれがあると指摘している。
議員らの要請に先立ち、FTCはマスク氏による買収後のツイッターの動向について「深い懸念をもって追跡している」との声明を出していた。「いかなるCEOも企業も法律の上に立つことはできず、企業は我々の合意命令に従わなければならない」とも強調し、コンプライアンス(法令順守)を求める姿勢を示していた。
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