イーロン・マスク氏「共和党に投票を」 無党派層に推奨、反発も(写真=AP)
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ソース: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN07CVY0X01C22A1000000/
保存日: 2022/11/08 7:50
2022年11月8日 2:58
マスク氏は8日投開票の米中間選挙で共和党の大勝を予想する発言もしている=AP
【シリコンバレー=白石武志】米ツイッターを買収した起業家のイーロン・マスク氏は7日、8日投開票の米中間選挙で米野党・共和党に投票するよう同社のSNS(交流サイト)上で無党派層に呼びかけた。同氏は買収契約を結んだ4月末時点ではツイッターは政治的な中立性を保つべきだと表明していた。従来の約束に反するかのような言動は、波紋を広げそうだ。
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マスク氏は7日、「無党派層の有権者へ」と題する投稿のなかで「権力の共有は、両党の最悪の行き過ぎを抑制する。したがって大統領職が民主党であるならば、私は共和党の議会に投票することをおすすめする」と述べた。
続く投稿では「筋金入りの民主党員や共和党員は決して反対側には投票しないので、誰が実際に政治を担うかを決めるのは無党派層の有権者だ」と強調した。マスク氏は一連の投稿を自らのアカウント画面の最上部に固定し、多くのフォロワーらが閲覧しやすい状態にしている。
マスク氏はツイッターと買収に合意した直後の4月下旬には「ツイッターが社会の信頼に値するためには、政治的に中立でなければならず、それは事実上、極右と極左を等しく動揺させることを意味する」と述べていた。ツイッター利用者の間では、マスク氏の7日付の投稿はこうした従来の約束に反するのではないかとの指摘も出ている。
マスク氏は自らの政治的立場を無党派だと強調した。6月の米南部テキサス州の連邦下院補欠選挙で共和党候補者に初めて投票するまで、各種選挙では民主党候補者に票を入れ続けてきたという。同氏は6月の投稿では11月の米中間選挙は共和党が大勝するとの予想も示していた。
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※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。
• ひとこと解説これはいけません。絶大な影響力を持つSNSのCEOが、よりによって選挙前日に、特定政党への投票を「推奨」する投稿を自社のプラットフォームで目立つように掲げるとは。選挙管理委員会が「○○党に投票しましょう」と呼びかけるようなもの、いや、それをはるかに上回る影響があります。 大統領の党と違う党に議会を支配させる「チェック•アンド•バランス」を理由に掲げてはいますが、ならばSNS企業のトップはきちんと政治的中立を保つべきです。マスク氏は気まぐれのように、今後も選挙前日の推奨を繰り返すのでしょうか。もっとも、今の米国ではこの件への賛否も民主•共和両党の支持者の間で真っ二つに割れるのかもしれませんが。
• ひとこと解説時代の寵児になっているマスク氏は何かが違う。天才といわれる氏は気まぐれなところがある。政治に関心を払っているが、そのための責任を取らない。出る杭が打たれるが、マスク氏はもう出過ぎたので、打たれることはなかろう。これからは大きく暴れるかもしれない。世界にとって攪乱要因になるかどうかは気になる