IMF専務理事「世界の3分の1が景気後退」 経済見通し(写真=AP)
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ソース: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN06E160W2A001C2000000/
保存日: 2022/10/07 8:17
2022年10月7日 0:35
IMFのゲオルギエバ専務理事は近く公表する経済見通しを下方修正すると明らかにした=AP
【ワシントン=高見浩輔】国際通貨基金(IMF)のゲオルギエバ専務理事は6日の講演で「世界経済の3分の1が来年までに(景気後退を示す)2四半期連続のマイナス成長に陥る」と話した。年次総会に合わせて近く公表する世界経済見通しを下方修正すると明らかにした。「さらに悪くなる可能性のほうが高い」とも強調した。
「無意味な戦争を含む複数のショックが、経済の様相を一変させた」とロシアによるウクライナ侵攻を批判し、エネルギーや食料の価格高騰や中央銀行による金融引き締めが経済減速を招くと指摘した。世界経済が2026年までに失う国内総生産(GDP)が4兆ドル(約580兆円)と「ドイツ経済に相当する規模になる」と話した。
各国が取り組むべき対策として、インフレの抑制を第一にあげた。金融引き締めを徹底すると同時に、低所得層に対象を絞った支援が必要だと指摘。規模の大きな財政出動はインフレの長期化につながるため避けるべきだと戒めた。
ドル高や金利上昇で借り入れ負担の上昇に苦しむ新興国に対し、国際協調が必要だと呼びかけた。「今後3 四半期の間に新興国から資本が流出する確率は40% まで上昇している」と分析した。
講演後のイベントでは経済危機に陥ったスリランカについて「主要な貸し手である中国、インド、日本はどうすればスリランカを助けられるかを考える責任がある」と指摘した。
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