銀行経営こそ「貯蓄から投資」を 30年で利息収入8割減
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ソース: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB253Q10V20C22A8000000/
保存日: 2022/08/29 7:46

「いっそ銀行免許を返上したほうが、成長シナリオを描けるのではないか」。ある大手銀行の元首脳はそう夢想することがあったという。預金と融資という銀行の根幹業務は利益が出なくなり、にもかかわらず金融規制で銀行業の多角化余地も限られるからだ。国内銀行は「失われた30年」から脱せられるか。
銀行が企業融資で最も稼いでいたのは約30年前の1991年度だ。企業(金融除く)の金融機関への利払い額は37兆9000…
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• 分析・考察法人金融の構造変化(銀行中心主義からエクイティ中心主義)を促したのは、ある意味で銀行自身です。金融危機時に自己防衛的に貸し渋りを行った結果、銀行依存からの脱却を目指した企業が自己防衛的に無借金体質を進めました。貸出利息収入減少は、マイナス金利政策ばかりでなく、こうした借り手の構造変化にも起因しています。現在必要とされているのは、実績ある伝統的企業への資金供給ではなく、成長ポテンシャルはあるものの失敗リスクのあるスタートアップへのリスク資本供給です。政権は今年を「スタートアップ元年」としていますが、公的資本に頼らず、銀行が積極的にエクイティとデット両面で失敗を許容する資本供給を行うべきです。


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