TOTO、便器や化粧台など4部位で新商品 12年ぶり一斉に
作成者:
ソース: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC074HU0X00C22A6000000/
保存日: 2022/06/08 8:09
新商品発表会には清田社長も登壇した
TOTOは7日、便器や洗面化粧台など主力の「水回り4部位」で8月から新商品を順次発売すると発表した。4部位で一斉に新商品を発表するのは2010年以来で、12年ぶりとなる。新型コロナウイルスの流行に伴って社会全体の衛生意識が高まり、在宅時間が増えて自宅のトイレなどに快適性を求める消費者も増えている。そんな需要を国内外で取り込む狙いだ。
新モデルを追加した一体形便器ブランド「ネオレスト」では便座の裏を除菌、洗浄する新機能を搭載している。洗面化粧台や浴室と一体でコーディネート提案できるようなデザイン性も重視した。
以前からあった便器内や洗浄ノズルの洗浄機能に加え、温水洗浄便座「ウォシュレット」内に除菌水を回転しながら噴霧する機能を追加した。尿はね汚れなどがつきやすい便座裏先端部分を、手で直接触れずに除菌・漂白できる。従来の3種類のモデルに、便器部分の継ぎ目をなくした新型を追加した。日本では8月1日に発売し、海外でも順次売り出していく。新たに追加するLSモデル本体の希望小売価格は45万8700円に設定している。
洗面化粧台「オクターブ」は手洗いや照明にタッチレス機能を追加し、除菌水での洗浄も可能とした。システムキッチンや浴室でも新商品を発売する。特に洗面化粧台や浴室は「ネオレスト」と一体での使用を想定し、色合いやデザイン性で統一感を持たせた。ウォシュレット生産本部の合田智一副本部長は「TOTOが目指すグローバルなニーズに対応し、今まで以上にインテリア性の高い商品を目指した」と説明している。
ネオレストは1993年から販売しており、TOTOでは最上位の便器ブランドにあたる。2021年度には22万台を販売した。世界統一モデルとしてアジアや米国の高級ホテルやオフィスなど向けにも販売している。24年度にはシリーズ全体で30万台を販売することが目標だ。
新商品は8月から順次発売する
清田徳明社長は新商品発表会で「新型コロナ禍を経て『おうち時間を豊かで快適に暮らしたい』というニーズは今後も継続する」と述べた。公衆トイレでは触らずに操作できる「タッチレス機能」が普及しているが、今回の新商品では自宅向けでもタッチレス機能を充実させた。
最近は便器や化粧台でも資材の価格上昇や供給不足が深刻だ。TOTOは21年後半からウォシュレットなどの受注を抑制している。今回の新商品でも浴室の発売時期は22年10月以降となった。清田社長は「ウォシュレットの受注抑制は夏には解消される」と語った。ロックダウンが解除された中国・上海の製造ラインの稼働も正常化に向かうという見通しも明らかにした。
TOTOは22年度の連結売上高が7100億円と過去最高を見込み、特に北米や中国など海外事業に力を入れる考えだ。一方で、日本への入国規制が緩和されれば訪日観光客も回復するとみている。清田社長は「日本全体をショールームとして展開したい」と今後への期待を語った。
(山口和輝、田村修吾)
日経産業新聞の記事一覧へ
日経産業新聞をPC・スマホで!
スタートアップに関する連載や、業種別の最新動向をまとめ読みできる「日経産業新聞」が、PC・スマホ・タブレット全てのデバイスから閲覧できます。直近30日分の紙面イメージを閲覧でき、横書きのテキストに切り替えて読むこともできます。初めての方は、まずは1カ月無料体験!
• 詳細はこちらから