安保理、民間人殺害を各国が非難 「戦争犯罪」指摘も(写真=AP)
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ソース: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN05DSP0V00C22A4000000/
保存日: 2022/04/06 20:18
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2022年4月6日 3:43
トーマスグリーンフィールド米国連大使は5日「国連人権理事会へのロシアの参加は国連全体を弱体化させる」と述べた=AP
【ニューヨーク=白岩ひおな】国連安全保障理事会は5日、ウクライナでのロシア軍による民間人殺害をめぐる緊急会合を開いた。米国のトーマスグリーンフィールド国連大使はロシアの国連人権理事会の資格停止を求めた。各国からは首都キーウ(キエフ)郊外ブチャなどでの民間人殺害への非難が相次ぎ、米欧などは「戦争犯罪」や「人道に対する罪」にあたる可能性があると指摘した。
「ロシア軍は市民を意図的に殺害した。ある者は拷問を受け、ある者は路上で撃たれた」。冒頭、ウクライナのゼレンスキー大統領がオンラインで演説し、ブチャの惨状を訴えた。ロシアによる民間人殺害を「第2次世界大戦後、最も恐ろしい戦争犯罪だ。ロシア軍と彼らに命令した者に直ちに法の裁きを下さなければならない」と糾弾した。「国連の機能不全は明らかだ」と指摘したうえで「安保理の拒否権が死の権利にならないよう、国連を改革しなければならない」と訴えた。直ちに行動できない場合、国連は「解散」すべきだとも述べた。
ロシアによる民間人の殺害が戦争犯罪にあたるかどうかをめぐっては、各国に温度差もある。広義の戦争犯罪は①集団殺害犯罪(ジェノサイド)②人道に対する犯罪③戦争犯罪④侵略犯罪――に分かれる。米欧などは、民間人や民間施設への故意の攻撃といった戦争犯罪や、広範囲・組織的な住民の殺害や性的暴行など人道に対する罪にあたるとの考えを示した。一方、中国やインドは民間人の攻撃や殺害を非難するにとどめた。
グテレス国連事務総長は「無差別攻撃は国際人道法の下で禁止されており、戦争犯罪に相当する可能性がある」と強調し、独立した調査を呼びかけた。米国のトーマスグリーンフィールド大使は「米国はロシア軍がウクライナで戦争犯罪をしたとみなしている」と明言。「ロシアの国連人権理事会への参加は国連全体を弱体化させる」とも述べ、ロシアの資格停止を求めた。週内にも国連総会での採決をめざしている。
4日の米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は衛星画像などから、ブチャで多数の住民がロシア軍の撤収前に殺害されたと特定した。ロシアのネベンジャ大使は「米欧だけが引っかかるフェイクだ」などと主張し殺害を否定したが、英国のウッドワード大使は「遺体がブチャで数週間放置されていたと衛星画像で確認できている」と反論した。
国連人権高等弁務官事務所によると、ウクライナでは少なくとも1480人の民間人が死亡し、2195人が負傷した。ブチャなどでは民間人410人の遺体が見つかり、キーウ北西のボロディアンカではさらに犠牲者が多数に上るとみられる。
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• 別の視点ロシアや中国の妄言を排除し、より客観性と透明性が高い戦争犯罪認定を行うためにも、中立的な検察機関による調査が喫緊の課題です。ジェノサイド認定を過去に行った旧ユーゴスラビア国際刑事裁判所(別名「国際戦犯法廷」)にしてもルワンダ事案にしても、国連安保理決議が必要でロシアの拒否権に直面します。福井先生の仰る通り、より実効性の高いICC(International Criminal Court, 国際刑事裁判所)による調査と立件が望まれます。現在、非加盟の米国(中国やロシアも非加盟)も従来の方針を転換し、これを支持することで、証拠を早急に確保しておくことが不可欠だと思います。
2022年4月6日 7:56 (2022年4月6日 7:57更新)
• 分析・考察現在、国際刑事裁判所(ICC)はウクライナの状況について捜査を開始し、進行は検察官と、日本の赤根判事を含む3名の裁判官に委ねられています。国連や各国は客観性のある調査情報を公表し、そしてICCに集約して行くべきでしょう。 ロシアは締約国でないのでICCの有罪判決はロシア在住者に執行できないという指摘は当初からありますが、恐らくそこはポイントではありません。独立した国際機関が、現地の証拠をしっかり保全し、捜査経過を公表して行くことは、今後の国際社会の統一行動や次なる戦争犯罪の抑止の前提になるからです。
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