欧州、ロシア領事館閉鎖や外交官追放相次ぐ(写真=ロイター)
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ソース: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR0601L0W2A400C2000000/
保存日: 2022/04/06 8:21
エストニアはロシア領事館の閉鎖を決めた(カラス首相)=ロイター
【パリ=白石透冴】欧州各国がロシアのウクライナ侵攻に抗議し、相次いでロシア領事館の閉鎖や外交官追放を決めている。バルト3国のラトビアとエストニアは5日、それぞれ2カ所ずつロシア領事館を閉鎖すると発表した。一方、ウクライナから国外に逃げた難民数は4日時点で424万人に達した。
ラトビアのリンケービッチ外相は5日、ツイッターで「ロシア軍による残虐行為を考慮し、ロシア領事館2つを閉鎖し13人を追放することを決めた」と発信した。エストニアも領事館の閉鎖と14人の追放を決めた。イタリア、スペイン、デンマーク、スウェーデンなども追放を発表した。4日にはフランスとドイツが計70人以上の追放を明らかにしていたが、同調する動きが広がった。
ウクライナへの軍事支援を強める流れもある。ロイター通信によると、チェコは旧ソ連製の戦車をこのほどウクライナに引き渡した。地元テレビが戦車5台を載せたウクライナ行きとみられる列車の映像を公開したという。
ウクライナ政府は繰り返し戦車の提供を求めてきたが、欧米諸国は当初ロシアを刺激するとしてしぶってきた。ただ米紙ニューヨーク・タイムズの1日の報道によると、米政府はウクライナが旧ソ連製戦車を受け取る支援を始めた。ウクライナに多数の戦車が渡れば戦況に影響を与える可能性もあるが、ロシア政府の反発は必至だ。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、ウクライナを逃れる難民は増え続けている。ポーランドに難民全体の約6割に当たる約247万人が渡り、ルーマニアに約65万人、モルドバには約40万人が逃れた。
フランス検察当局は5日、ウクライナでの戦争犯罪の疑いで3件の捜査を始めたと発表した。フランス人を含む複数の家族が首都キーウ(キエフ)周辺や南部マリウポリなど3カ所で砲撃の被害などに遭った疑いがあるという。
仏当局はキーウ周辺で3月14日にフランスとアイルランドの二重国籍を持つ記者が死亡した事件についても捜査を始めている。証拠集めなどに時間がかかるとみられ、容疑者の特定など捜査が進むかどうかは不透明だ。
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