FRB資産圧縮「5月にも急ピッチで」ブレイナード理事 (写真=ロイター)
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ソース: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN05DGV0V00C22A4000000/
保存日: 2022/04/06 7:49
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2022年4月6日 0:13
米連邦準備理事会(FRB)のブレイナード理事は「急速な資産圧縮を想定している」と発言した=ロイター
【ワシントン=高見浩輔】米連邦準備理事会(FRB)のブレイナード理事は5日、量的引き締め(QT)と呼ばれる資産圧縮について「5月にも急ピッチで始める」と発言した。ロシアのウクライナ侵攻が食品や原油の価格を一段と上昇させるリスクにも触れ、主に低所得層の生活に打撃を与えるインフレの抑制を急ぐ姿勢を強調した。
ミネアポリス連銀のイベントにオンラインで出席した。ブレイナード氏はもともと金融引き締めに慎重なハト派の代表格だが、最近はインフレの封じ込めに積極的な発言を繰り返している。
FRBが資産圧縮を進めた2017~19年より力強く急速な経済回復が進んでいると指摘し、当時と比べて「かなり急速な圧縮を想定している」とした。約40年ぶりの水準となっている足元のインフレについて「賃金上昇が物価の上昇に追いついておらず、家計の購買力が低下している」と指摘。特に食品や住宅への支出割合が大きい低所得層への影響が大きいとの分析を示した。
発言を受け、米債券市場ではFRBによる米国債の購入が想定以上のペースで減るという思惑から米長期金利が上昇(債券価格は下落)した。発言の前に2.46%程度で推移していた10年物国債の利回りは一時、2.56%と約3年ぶりの高水準に達した。米株式市場ではハイテク株が売られた。
FRBは急速なインフレを受け、量的緩和の強化として進めてきた資産拡大をすでに止めている。3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では約3年ぶりとなる利上げにも踏み切った。次回の5月会合で資産圧縮を始めるかどうかが注目されている。
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