ロシア、金利2倍の20%に上げ ルーブル急落で防衛(写真=ロイター)
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保存日: 2022/02/28 18:34

2022年2月28日 16:03

27日、サンクトペテルブルクでATMに並ぶ市民=ロイター

【モスクワ=桑本太】ロシア中央銀行は28日、政策金利を年20%と従来の9.5%から2倍に引き上げると発表した。利上げは11日の金融政策決定会合以来で、2月に入って2回目になる。ウクライナ侵攻による米欧の経済制裁で通貨ルーブルが急落し、28日には過去最安値を更新した。通貨安に伴うインフレ加速を抑えるため、緊急の利上げに踏み切った。
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政策金利が20%台になるのは、ロシア危機の影響が尾を引いていた2003年2月以来。国際決済銀行(BIS)などによると、アルゼンチンの42.5%に次いで高く、トルコの14%を上回る水準だ。
米欧はロシアの中央銀行にも初めて制裁を科し、外貨準備の取引を制限する厳しい措置を決めた。為替介入が難しくなるとの見方から、28日の外国為替市場では通貨ルーブルが急落。ドルに対しては一時1ドル=120ルーブル近辺と過去最安値を更新した。ロシア中銀の利上げ発表後も、なお安値圏で推移している。
ロシアでは28日、制裁によるルーブル安を懸念し、ドルを早めに手元に確保しようという動きも強まっている。国際決済網である国際銀行間通信協会(SWIFT)からの一部銀行の排除など米欧の制裁決定を受け、週末にはモスクワの都市部など一部のATMには預金を引き出そうと行列ができた。
制裁拡大による経済の混乱でモスクワ証券取引所は28日の株式の取引開始を見送った。ロシア中央銀行が現地時間午後1時(日本時間午後7時)に当日中の取引の有無について決定する。取引をすると判断した場合は午後3時(同午後9時)に取引所を開ける。非居住者による証券売却も禁止した。
すでにロシアのインフレ率は1月時点で8.7%と中銀目標の4.0%を大幅に上回る。エネルギーや食料品価格の高騰に加え、ルーブル安で輸入物価の上昇を通じてインフレに拍車がかかる可能性が高まっている。ロシア中銀は大幅な利上げで通貨安に歯止めをかける狙いだが、急激な利上げは金利上昇を通じて国内経済を冷やす恐れもある。
ロシア財務省とロシア中銀は輸出企業に対し、対外貿易での売上高の80%に相当する外貨を強制的に売却することを義務付けることも決めた。28日から導入する予定で、外貨の売却によりルーブル安を抑える狙いだ。
プーチン大統領は国民生活を圧迫するインフレを警戒する。ウクライナへの侵攻を決める前の2月17日の政府会合では「インフレ抑制に向けて効果的な対策を講じる必要がある」として政府と中銀の協調を求めていた。
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• 分析・考察ロシアの中央銀行が本日すぐ対応したのは当然であろう。ルーブルが対ドルで急落し、2014年のクリミア併合時よりもルーブルの価値は大きく下落している。ロシアへの大規模制裁に躊躇していた欧州連合が思い切って過去最大の厳しい制裁を発動したことが大きい。SWIFTからのロシア大手銀行の除外とロシア中央銀行が西側の中央銀行に預けるドル、ユーロ、ポンドなどの国際通貨とそれらの通貨建て証券を利用できなくしたため、ルーブル防衛手段が政策金利の大幅引き上げしなかいからだ。それでもルーブルは大きく下落しインフレは現在9%弱程度だが、今後大きく上昇していくだろう。ロシアの行動は市民と企業に大きな負担を強いている。


• ひとこと解説ロシアは制裁慣れしているので、制裁しても効果は小さい。制裁で返り血を浴びるのは西側だーー。そう語っていた「専門家」の見解を改めてうかがいたい気持ちがします。 従来、ロシアが制裁に耐えられたのは、自らに理があると思っていたからこそ。いまやウクライナのロシア軍は、無名の師つまり名分のない戦争の落とし穴にはまりつつあります。 大変な目に遭っているロシア市民の怒りが政権に向かうと、プーチン政権の足元が揺らぎます。中国の後ろ盾が頼りでしょうが、利にさとい習近平氏のこと、泥舟救済の見返りは、資源などの差し押さえでしょう。

2022年2月28日 18:05 (2022年2月28日 18:28更新)