台湾うかがう「強国」の橋
習氏の焦燥、爪を隠せず 大中国の時代
坂の上の罠①
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ソース: https://www.nikkei.com/telling/DGXZTS00000600Z01C21A2000000/
保存日: 2022/01/24 7:51

誰も見たことのない「強大国」中国が現れた。独善、そして威圧的な行動から透けるのは、自信だけではない。急成長から一転し、衰退へと向かう新興大国が陥る「坂の上の罠(わな)」――。その矛盾が各所で噴き出しつつある。急転する中国と世界を追う。
「おい見ろ、ここだ。この橋が台湾まで延びる。車で1時間半で、台北にも行けるようになるぞ」
中国南部、福建省福州市。男性運転手の呉峰(57)はそう言って、海沿いにタクシーを止めると、巨大な橋を指さした。全長16キロメートル。橋は中国大陸から台湾海峡に浮かぶ小さな平潭(ピンタン)島に向かって、突き出るように架かる。2020年12月に完成したが、それで終わりではなかった。