FTC、英アームの買収阻止へ 米エヌビディアなど提訴 (写真=ロイター)
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ソース: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN0304I0T01C21A2000000/
保存日: 2021/12/03 7:52
エヌビディアは2020年9月にアームを400億ドルで買収すると発表していた=ロイター
【ラスベガス=白石武志】米連邦取引委員会(FTC)は2日、米半導体大手エヌビディアによる英半導体設計アームの買収計画をめぐり、反トラスト法(独占禁止法)に基づき差し止めを求める訴訟を起こした。両社の統合は「次世代技術の競争を阻害する」などと主張した。アームを傘下に持つソフトバンクグループ(SBG)の戦略にも打撃となる。
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FTCは訴状の中で、中立的でオープンな手法で設計ツールを幅広い半導体メーカーにライセンス供与するアームについて「半導体業界のスイスと呼ばれる」と指摘。エヌビディアの競合他社も製品開発のためにアームの技術に依存していると述べた。
FTCはエヌビディアによる買収を認めた場合、「技術の支配力を利用して競合他社を弱体化させる能力と動機を与える」と主張。最終的には製品品質の低下や価格の上昇を招き、アームの技術を使った製品の恩恵を受けている「数百万人の米国人に損害を与えることになる」と指摘した。
エヌビディアなどは2020年9月にSBGからアームを最大400億ドル(約4兆4000億円)で買収すると発表した。アームが保有する半導体の設計技術を手に入れることで、人工知能(AI)向けの半導体で覇権を狙っていた。
提訴の是非を判断する採決に参加した4人全員のFTC委員が買収阻止に賛成した。提訴に踏み切るまでの調査にあたっては、欧州連合(EU)や英国、日本、韓国の競争当局と緊密に連携したとしている。FTCは訴訟は22年8月に始まるとしている。
エヌビディアは同日、「FTCの手続きが次の段階に進むにあたって、我々はこの(買収)取引が業界に利益をもたらし、競争を促進するものであることを示す努力を続ける」と述べた。アーム側はコメントを避けた。