エヌビディア8~10月、84%増益 ゲームやAI拡大続く
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ソース: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN17E4I0X11C21A1000000/
保存日: 2021/11/19 7:53
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【シリコンバレー=佐藤浩実】米半導体大手エヌビディアが17日発表した2021年8~10月期決算は、純利益が前年同期比84%増の24億6400万ドル(約2800億円)だった。ゲームやデータセンター、映像編集向けの半導体とソフトウエアの販売拡大が続き、売上高は50%増の71億300万ドルとなった。売上高・純利益ともに市場予想を上回り、過去最高を更新した。
事業別ではゲーム部門の売上高が42%増の32億2100万ドルで、パソコンでゲームを遊ぶ際に使うGPU(画像処理半導体)の販売が伸びた。「ホリデーシーズンに向けて強い需要がある」とコレット・クレス最高財務責任者(CFO)は指摘した。
ゲーム用GPUは暗号資産(仮想通貨)の採掘(マイニング)への流用が問題になっていたが、8~10月期に出荷した新製品の大半は転用不能にする処置を施した。一方、マイニング用に開発した専用品の売上高は約1億ドルだった。
データセンター部門の売上高は55%増の29億3600万ドルだった。クラウドコンピューティング企業をはじめ、大規模事業者への人工知能(AI)半導体の納入が堅調だった。自然言語処理や推薦システムの構築に使われたという。
プロの動画編集向けの製品販売額は2.4倍の5億7700万ドルだった。映画スタジオなど顧客の間で、遠隔作業を円滑に進めるための投資が広がった。
エヌビディアは「オムニバース」と呼ぶ仮想空間内で共同作業やシミュレーションをするための企業向けサービスを11月に始めた。仮想世界「メタバース」関連銘柄ととらえられる機会が増え、株価が上昇基調にある。好決算が材料となり、17日の時間外取引でも終値と比べて4%超上昇した。
21年11月~22年1月期は74億ドル前後の売り上げを予想する。各国当局が審査を進めている半導体設計大手アームの買収を巡っては「アームの技術提供先や業界にとっても、買収は有益なものになる」(クレスCFO)という従来の主張を繰り返した。
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