米インフラ投資法成立、バイデン氏「21世紀競争に勝利」(写真=AP)
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ソース: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN15D7S0V11C21A1000000/
保存日: 2021/11/16 8:10
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2021年11月16日 6:25
【ワシントン=鳳山太成】バイデン米大統領は15日、1兆ドル(約110兆円)規模の超党派インフラ投資法案に署名し、同法が成立した。道路や橋、鉄道など老朽化したインフラを刷新するほか、高速通信網を整備する。「21世紀の競争に勝利し始める瞬間だ」と看板公約の実現を誇示した。
ホワイトハウスに法案に協力した与野党の議員らを呼んで、署名式典を開いた。演説で「来年から20年かけて、米国のインフラ投資が中国より早く成長する」と競争相手である中国への対抗意識を鮮明にした。
法案は5年間で新たに5500億ドルを支出し、既存の予算を含めて計1兆ドル規模を投じる。5日までに議会の上下院が可決していた。
道路や橋の改修に1100億ドル、バスなど公共交通機関の刷新に390億ドルを投じる。高速通信網や電力網の整備にいずれも650億ドルをあてる。75億ドルで電気自動車(EV)の充電設備を全国に50万基設けて、EVの普及を促す。
与党・民主党に加え、野党・共和党の一部も賛成した。米国ではインフラの老朽化が進んでおり、与野党から大規模な投資を求める声が長年上がっていた。バイデン氏は「ついになし遂げた。米国は再び動き出す」と超党派での成果を強調した。
バイデン氏は子育て支援や気候変動対策を盛った1.75兆ドルの歳出・歳入法案の実現にも意欲を示す。同法案はバイデン氏のもう一つの看板公約だが、民主党内の対立で成立が遅れている。
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• 分析・考察これまでバイデン政権と民主党議会指導部は、党内左派が望む子育て支援、気候変動などを含む1兆7500億ドル規模の歳出法案(BBB)との同時採決にこだわり、党内の調整能力の欠如が、無党派層や民主党支持者から不信を持たれました。それが11月2日のバージニア州知事選の民主党候補の敗北の一つに繋がり、大慌てで方針変更して今回の単独でのインフラ法案の成立にこぎつけました。今後、残る宿題のBBBの成立も関心事項です。先日、日本に来ていた民主党議会スタッフの友人に感触を聞いたところ、「前向きに進んでいる」と楽観的でしたが、バイデン政権はインフラ法案の成立で一息ついて、残る宿題に取り組むということです。
• ひとこと解説バイデン政権にとって3月米国救済計画成立以の前進となった。インフラ法案は鉄道・道路・橋や送電線の補強やEV充電ステーションの拡充につながるのでバイデン政権の主要政策のひとつである環境政策の一部も含む。この政策は米国の資本ストックを増やし生産性向上にも寄与し長期的には米国経済に資するし今後10年間かけて実施するものだが、消費者物価が6%をこえる高インフレのもとで総需要拡大による一段のインフレ押し上げが意識され政策の重要性過小評価されてしまった点は残念だ。また当初予定した企業増税により財源捻出もできなかったが歳入増にもつながるため議会予算局によれば10年間0.25兆ドルの財政赤字拡大ですむ。
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