テスラ、時価総額1兆ドル 米ハーツからEV10万台受注
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ソース: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN25CGZ0V21C21A0000000/
保存日: 2021/10/26 7:40
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2021年10月26日 1:37
米株式市場で25日、米テスラの時価総額が一時1兆ドル(約113兆円)の大台を初めて突破した。先週発表した2021年7~9月期決算が過去最高益と好調だったのに加え、レンタカー大手の米ハーツ・グローバル・ホールディングスが同日、テスラから10万台の電気自動車(EV)を購入すると表明したのが好感された。
25日の取引時間中にテスラ株は一時、前週末比14.9%高の1045ドル02セントを付け、上場来高値を更新した。終値は12.7%高の1024ドル86セントだった。終値ベースの時価総額は自動車メーカーとして初めて1兆ドルを超え、米企業ではアップルとマイクロソフト、アルファベット(グーグル親会社)、アマゾン・ドット・コムに次ぐ5番手となっている。
ハーツの発表によると同社は22年末までにテスラ車10万台を注文し、欧米の営業拠点を中心に量販車種「モデル3」を配置する。同社は投資額を明らかにしていないが、米メディアによるとEVの購入費用はおよそ42億ドル(約4700億円)とみられる。
10万台の注文は20年のテスラの世界販売台数(約50万台)の2割に相当し、ハーツが所有するレンタカーは2割以上がEVとなる。法人需要の大部分を占めるレンタカー業界で採用が進めば、EVの本格普及に一段と弾みがつく可能性がある。
テスラは世界的な排ガス規制の広がりを追い風にEVの販売を伸ばしている。21年通年の販売目標は75万台超とまだ自動車大手の年間販売の10分の1以下だが、高い成長力への期待から20年7月に時価総額でトヨタ自動車を抜き、自動車業界で首位に立った。
21年10月20日に発表した21年7~9月期決算は売上高が前年同期比57%増の137億5700万ドル、純利益が4.9倍の16億1800万ドルとなり、そろって過去最高を更新した。米中の既存の2つの完成車工場に加え、21年内にはドイツと米南部テキサス州で建設中のEV工場が稼働を予定する。(ニューヨーク=中山修志、シリコンバレー=白石武志)
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• ひとこと解説残価率上昇がEVの本格普及を後押しする。 米自動車専門誌CAREDGEが昨年末に実施した調査によると、2017年に発売したモデル3の購入後3年目の再販売価格は新車価格の77%で、残価率が米国の非高級車の中で最も高かった(平均62%)。レンタカー会社は数年経過した保有車両を中古車市場で売却するので残価率の高さに特に注目する。一般的にフリート車両は大量購入によるディスカウント価格で取引されるが、今回ハーツが調達するモデル3の購入単価は最量販グレードの小売新車価格に近く、残価率の高さが評価されている。欧英でもEVの残価率が上昇中だが、電池の性能向上で航続距離が落ちにくくなってきたことが背景にある。