NY円、6日続落 1ドル=111円90銭~112円00銭 一時1年7カ月ぶり安値
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ソース: https://www.nikkei.com/article/DGXZASM7IAA05_Q1A930C2000000/
保存日: 2021/09/30 7:51
【NQNニューヨーク=川内資子】29日のニューヨーク外国為替市場で円相場は6日続落し、前日比45銭円安・ドル高の1ドル=111円90銭~112円00銭で取引を終えた。一時112円05銭と2020年2月下旬以来ほぼ1年7カ月ぶりの円安・ドル高水準を付けた。米連邦準備理事会(FRB)による緩和的な金融政策の縮小観測を背景とした米長期金利の上昇を見越し、円売り・ドル買いが優勢となった。
円は高く始まった。日本や中国・上海の株式相場が下落したのを受け、アジアと欧州市場で投資家のリスク回避姿勢が強まり低リスク通貨とされる円が買われていた。
だが、29日の米債券市場で前日から低下して始まった長期金利が午後にかけて一時上昇すると、日米金利差の拡大を意識した円売り・ドル買いが優勢となった。インフレ圧力の高まりを背景にFRBが金融政策の正常化を進めるとの見方が強いことも、幅広い通貨に対するドル買いを促した。
午後に円が7月上旬に付けた今年の安値(111円66銭)と29日の東京市場で付けた安値(111円68銭)を明確に下回ると、円売り・ドル買いが加速した。
29日の日本の自民党総裁選で岸田文雄氏が選出された。結果はほぼ予想通りなうえ、同氏が打ち出す政策の詳細を見極めたい市場関係者も多く、相場の反応は限られた。
円の高値は111円39銭だった。
円は対ユーロで6営業日ぶりに反発し、前日比40銭円高・ユーロ安の1ユーロ=129円80~90銭で取引を終えた。ユーロが対ドルで下落したのにつれ、円買い・ユーロ売りが優勢となった。
ユーロはドルに対して4日続落し、前日比0.0085ドル安の1ユーロ=1.1595~1605ドルだった。一時1.1590ドルと20年7月下旬以来の安値を付けた。米金融緩和の縮小観測からユーロ売り・ドル買いが優勢だった。
米連邦債務の上限問題で与野党の協議が難航し、米政府機関の一部閉鎖とデフォルト(債務不履行)が懸念されている。流動性が高く、リスク回避局面で上昇しやすいドルの買いにつながった。
ユーロの高値は1.1658ドルだった。