NY円、5日続落 1ドル=111円45~55銭で終了 米長期金利上昇で7月以来の安値
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ソース: https://www.nikkei.com/article/DGXZASM7IAA05_Z20C21A9000000/
保存日: 2021/09/29 8:13

【NQNニューヨーク=横内理恵】28日のニューヨーク外国為替市場で円相場は5日続落し、前日比50銭円安・ドル高の1ドル=111円45~55銭で取引を終えた。米金融政策の正常化が早まるとの見方や米長期金利の上昇を受け、円売り・ドル買いが優勢だった。一時は111円64銭と7月上旬以来の円安・ドル高水準を付けた。
米長期金利の指標である10年債利回りが一時1.56%と6月中旬以来の水準に上昇した。22日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後から金利上昇が続いており、日米金利差が一段と拡大する可能性が意識された。
インフレ加速で利上げ開始が早まるとの思惑も円売り・ドル買いを誘った。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が28日の上院銀行委員会での議会証言で、供給網(サプライチェーン)のボトルネックによる物価上昇圧力が「改善するどころか、悪化している」と指摘した。議長は物価上昇率がいずれFRBの目標の2%近辺に戻るとの見解も繰り返したが、インフレ圧力が想定以上に強いとの受け止めにつながった。
同日の米株式市場でダウ工業株30種平均が569ドル安と大幅反落し、流動性が高くリスク回避時に買われやすいドルに資金が集まったことも円の重荷だった。米議会での交渉が難航し、米政府が一部閉鎖と債務不履行(デフォルト)に陥る可能性も危惧されている。主要通貨を売って、安全通貨のドルを買う流れが強まった。
円の高値は111円24銭だった。
円は対ユーロで5日続落し、前日比35銭円安・ユーロ高の1ユーロ=130円20~30銭で取引を終えた。
ユーロは対ドルで小幅に3日続落し、前日比0.0010ドル安い1ユーロ=1.1680~90ドルで終えた。一時は1.1668ドルと8月中旬以来の安値を付けた。米株安を受けてユーロ売り・ドル買いが優勢だった。
ユーロの高値は1.1701ドルだった。