独VW、低価格の小型EV 主力品より3割以上安く
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ソース: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR03CHR0T00C21A9000000/
保存日: 2021/09/07 18:46

【ミュンヘン=深尾幸生】独フォルクスワーゲン(VW)は6日、小型電気自動車(EV)のコンセプト車「ID.ライフ」を発表した。2025年に市販モデルとして発売する。価格は2万ユーロ(約260万円)前後で、現行の主力EVより3割以上安い。量販帯に低価格の戦略EVを投入し、若者などに顧客層を広げる。
6日に報道公開が始まったミュンヘン国際自動車ショーで発表した。中核のVW乗用車ブランドのトップを務めるラルフ・ブランドシュテッター氏は「(独語で『大衆車』を意味する)社名が我々の約束だ。何百万人もの人にEVへの技術転換を訴える」と力を込めた。
ID.ライフのサイズは同社の「ポロ」やトヨタ自動車の「ヤリス」と同等の全長約4メートル。市場規模が最も大きなカテゴリーの1つだ。スペインの工場で年間50万台規模で生産する。セアト(スペイン)やシュコダ(チェコ)など複数の量販車ブランドで派生車種を展開する。
VWは20年に主力車「ゴルフ」と同等サイズのEV「ID.3」を発売。SUVの「ID.4」や中国専用の「ID.6」などEVの品ぞろえを増やしてきた。ID.3の価格は3万ユーロからで、補助金を含まなければガソリン車より割高で、普及の障害となっていた。
若い世代の開拓を狙い、自分のスマホなどをダッシュボードに磁石で着脱し音楽や地図など普段使い慣れたアプリをそのまま利用できるようにする。内装にはリサイクル繊維や木の家具のような天然素材を多用するのが特徴だ。
VWは30年に世界の新車販売の半分をEVにする予定。IDシリーズを持つVW乗用車ブランドでは同年に欧州の7割をEVにする目標を掲げている。