ドイツテレコムCEO、米IT大手を名指しで批判(写真=ロイター)
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ソース: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR299L30Z20C21A6000000/
保存日: 2021/06/30 8:01
28日、ヘットゲスCEOは米IT大手を批判した(バルセロナ)=ロイター
【バルセロナ=白石透冴】スペインのバルセロナで28日始まった世界最大の携帯関連見本市「MWC」で、独通信大手ドイツテレコムが米IT大手を名指しで批判する場面があった。応分の規制や負担から逃れているとの不満が背景にあり、他の欧州大手も同調した。欧州当局に対応を求める声が大きくなっている。
「なぜ(米フェイスブック傘下の)ワッツアップは通信サービスとして扱われず、米マイクロソフトはネット接続業者として扱われないのか」。ドイツテレコムのティモテウス・ヘットゲス最高経営責任者(CEO)は28日の座談会にオンラインで参加し、不満を表明した。米IT大手を念頭に「データ通信の8割を利用しているのに、1セントも支払っていない」とも語った。
ヘットゲス氏は現状の欧州のルールではIT大手などを適切に定義できていないとして「欧州は目を覚まさなければいけない」と見直しを求めた。スペインの通信大手テレフォニカのホセマリア・アルバレスパジェテCEOも「現在の規制は20世紀の状況に基づいており、完全に時代遅れだ」と指摘した。
新型コロナウイルス禍によって欧州でもオンラインの重要性が高まったが、恩恵を受けたのは米IT大手が中心だったとの見方がある。欧州連合(EU)も懸念を深めており、制裁金などによる締め付けを強めている。