米国株、ダウ続落し267ドル安 低調な住宅着工受け景気敏感株に売り
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ソース: https://www.nikkei.com/article/DGXZASB7IAA05_Z10C21A5000000/
保存日:2021/5/19 5:29 (2021/5/19 5:48 更新)

【NQNニューヨーク=戸部実華】18日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比267ドル13セント(0.8%)安の3万4060ドル66セントで終えた。4月の米住宅着工件数が市場予想を下回り、米景気への楽観的な見方がやや後退した。資本財など景気敏感株の一角に売りが優勢となった。主力ハイテク株への売りが続いたのも相場の重荷となった。

朝方発表の4月の住宅着工件数は前月比9.5%減と市場予想(2.2%減)以上に減った。住宅需要は強いものの、労働力不足や木材など資材価格の高騰が響いた。供給制約が景気回復を抑えかねないとの見方から、建機のキャタピラーや機械のハネウェル・インターナショナル、化学のダウなど資本財株や素材株の下げが目立った。金融のJPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスも安い。

石油のシェブロンも売られた。17日に著名投資家のウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社が1~3月期に保有株数を大幅に減らしたことが明らかになり、売りを誘った。18日の米原油先物相場が下落したことも嫌気された。

長期金利低下を受け、朝方は買いが先行した主力ハイテク株は次第に下げに転じた。足元の上値の重さが意識され、市場では「ハイテク株の戻りの鈍さが市場心理の悪化につながった」(ミラー・タバックのマシュー・マリー氏)との声も聞かれた。スマートフォンのアップルとソフトウエアのマイクロソフトが続落し、1%前後下げた。

ダウ平均は朝方に小幅高となる場面もあった。18日朝に発表した2~4月期決算が市場予想を上回り、通期見通しを引き上げた小売りのウォルマートが買われた。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も続落し、前日比75.412ポイント(0.6%)安の1万3303.636で終えた。交流サイトのフェイスブックが2%近く下げ、ネット通販のアマゾン・ドット・コムや検索サイトのアルファベットも安い。