TSMC、車向け半導体不足解消へ 中国で3100億円投資
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ソース: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM268U50W1A420C2000000/
保存日:2021/4/26 21:53 (2021/4/27 5:07 更新) [有料会員限定]
TSMCは、中国・南京工場に久々の大型投資を実施し、半導体不足の解消を急ぐ=TSMC提供
【台北=中村裕】半導体大手の台湾積体電路製造(TSMC)は26日、中国で28億8700万ドル(約3100億円)を投じ、車向け半導体などを増産すると明らかにした。南京市の既存工場に新ラインを設置し、2023年に量産体制を整える。中国での大型投資は、15年の南京工場の設立発表以来。世界中で不足する車向けの半導体の需要に対応する。
回路線幅が28ナノ(ナノは10億分の1)メートルの半導体を増産する。増産幅など詳細は明らかにしていないが、新ラインでは300ミリウエハー換算で月産4万枚を予定する。22年後半には少量生産を始める計画だ。
TSMCが今回増産する28ナノ品は世界で最も不足している半導体の一つ。台湾でスマートフォン向けなどに生産する最先端の5ナノ品に比べ数世代前の技術だが、新型コロナウイルスの感染拡大が長引き争奪戦が起きている。
自動車業界では半導体不足が原因で米フォード・モーターやホンダなど大手メーカーが軒並み減産などを余儀なくされている。在宅で使うパソコンやモニターなどデジタル製品の需要も依然として旺盛で、不足解消にめどが立っていない。
TSMCは15日の決算会見で、魏哲家・最高経営責任者(CEO)が世界的な半導体不足が年内は続くとの考えを明らかにし、不足問題解消は「23年ごろになるだろう」との見解を示していた。
TSMCは昨年、米アリゾナ州への先端半導体の工場進出を決めている。