韓国・BTS所属事務所、米同業を買収へ 1150億円で
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ソース: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM0519D0V00C21A4000000/
保存日: 2021/04/06 8:00
BTS所属事務所は米同業の買収によってK-POPの世界デビューを後押しする(BTSのオンラインコンサート)
【ソウル=細川幸太郎】K-POPアーティスト「BTS(防弾少年団)」の所属事務所、HYBE(ハイブ、旧ビッグヒット・エンターテインメント)は米同業のイサカ・ホールディングスを買収すると発表した。全株式を10億5000万ドル(約1150億円)で取得する。米有力事務所を買収することで韓国アイドルを世界に送り出す狙いがある。
イサカ社は、ジャスティン・ビーバーさんやアリアナ・グランデさんなど世界的な人気アーティストを抱える。辣腕マネジャーとして知られるスクーター・ブラウン氏が創業し、音楽レーベルなども手掛ける総合メディア企業だ。5月の買収完了後にブラウン氏はハイブの取締役に就任するという。
ハイブ創業者の房時赫(バン・シヒョク)最高経営責任者(CEO)は「(米同業の買収で)音楽産業の新時代を開いていく」と抱負を語った。自社所属のアーティストを米国進出させるほか、自前のITプラットフォームを活用してイサカ所属のアーティストのファンコミュニティーを広げて相乗効果を生み出す。
ハイブは2020年10月に韓国取引所に上場し900億円規模の資金を調達していた。同社は上場前から韓国内で芸能事務所を相次ぎ買収し、BTSへの収益依存からの脱却を進めてきた経緯がある。
米国のトップアーティストを抱える芸能事務所を傘下に収めることで、K-POPだけにとどまらずに世界の音楽業界での存在感を高めていく戦略だ。