☆NY株ハイライト S&P500種の4000乗せ 「いいとこ取り」のハイテク株買い
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ソース: https://www.nikkei.com/article/DGXZASFL02HDX_S1A400C2000000/
保存日:2021/4/2 7:12 (2021/4/2 7:17 更新) [有料会員限定]

【NQNニューヨーク=川内資子】1日の米株式市場で多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数が前日比46.98ポイント高の4019.87と初めて4000の大台に乗せて終えた。米長期金利が低下し、このところ相対的に出遅れていた高PER(株価収益率)の主力ハイテク株を買い直す動きが目立った。バイデン米大統領が前日に発表した2兆ドル(約220兆円)規模のインフラ投資計画を受けて、成長期待が高まった半導体株にも買いが入り相場を押し上げた。

ソフトウエアのマイクロソフトが3%上げた。前日夕に米陸軍に兵士の戦闘訓練時に使う拡張現実(AR)端末「ホロレンズ」の特注品を供給すると発表し、好感された。契約額は最長10年で最大218億8000万ドル(約2兆4200億円)。AR技術とクラウドコンピューティングの組み合わせで、兵士は状況把握や情報共有がしやすくなり、多様な環境を想定した訓練ができる。成長余地が大きいとされるAR技術や関連機器はハイテク企業が競って研究開発をする分野だ。膨大な軍事データを処理する大規模な案件に長期にわたって関われば研究開発に有利に働くとの期待は大きい。

マイクロソフトはここ数年で米軍と関係を深めている。2019年秋には米国防総省からクラウドコンピューティングを活用した情報システムの100億ドルの契約を獲得し、この分野の先駆者と自負するネット通販のアマゾン・ドット・コムの反発を招いていた。今回は分野がやや違うが再び軍関連の大型契約にこぎつけた。契約は「市場で注目されがちなクラウド事業以外の端末やゲームといった事業の業績上振れ余地の大きさを示した」(キーバンク・キャピタル・マーケッツ)。投資家はマイクロソフトの収益力の厚みを再確認したようだ。

1日は、アナリストらの主力ハイテク株への強気姿勢の表明が相次いだ。グッゲンハイムは「最近のアマゾン株の停滞は買いの好機」と指摘した。S&P500種がここ半年で約2割上げた一方、アマゾン株は約2%下げた。コロナ禍の「巣ごもり消費」の恩恵を受け、20年に4割も増えたネット通販の売上高が経済活動の正常化で急減するとの懸念が株価停滞の一因だ。だが、グッゲンハイムは「今年もネット通販の売上高は2割強の高い伸びを確保し、これまでの物流施設などへの多額投資を回収し営業利益率は改善する」と分析する。目標株価は現状より3割近く高い4000ドルに設定し、アマゾン株は1日に2%上げた。

パイパー・サンドラーは動画配信のネットフリックスの投資判断を「買い」で調査を始め、株価は3%高となった。担当アナリストはネットフリックスは質も量も伴う独自のコンテンツを保有しており、緩やかに値上げをしても契約者数の増加は続くと分析。「長期的な動画配信市場の勝者になる」と予想する。経済の正常化による悪影響への警戒から株価は今年低迷しており、現状の水準では投資妙味があるとみる。

1日は半導体株も全般に堅調だった。バイデン氏のインフラ投資計画には米国内の半導体生産を支援する補助金も含むため、長期の成長期待が高まった。米長期金利の上昇で割高感から売られていた主力ハイテク株に入る見直し買いと、米景気回復などを織り込む半導体株への買いが中期的に両立するのかには疑問が残る。だが、株式相場の予想変動率を示す変動性指数(VIX)は17台と昨年2月以来の水準に低下しており、やや「いいとこ取り」にもみえるハイテク株買いが、目先の相場を支える可能性が高まっているようにみえる。