台湾発エイピア、時価総額2000億円超 20年度IPO最大
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ソース: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGD297KX0Z20C21A3000000/
保存日: 2021/3/30 21:00 [有料会員限定]
台湾発スタートアップで人工知能(AI)関連を手がけるエイピア・グループが30日、東証マザーズに上場した。初値は2030円と公募・売り出し価格(公開価格、1600円)を430円(27%)上回り、初値時点の時価総額は2027億円となって2020年度の新規株式公開(IPO)で最大となった。顧客企業が多い日本での上場を通じて成長をめざす考えだ。
エイピア創業者でCEOのチハン・ユー氏(2017年)
同日、日本経済新聞社の取材に応じた創業者で最高経営責任者(CEO)のチハン・ユー氏は東京市場について「AIの領域で投資家などの経験がアジアで最も成熟している」と上場の意義を語った。「東証の担当者と5年以上前から面談する機会があり勧誘を受けていた」とも述べて熟慮を重ねてきたとした。
30日の終値は1900円で公開価格を300円(19%)上回り、市場の評価は上々の滑り出しとなった。終値ベースの時価総額は1897億円だった。エイピアはウェブサイト利用者の嗜好をAI分析して、顧客企業サイトの集客効果を高めるサービスが主力だ。これまでにソフトバンクグループやLINEなどが出資しており、上場前の19年末時点で1億6200万米㌦(約180億円)を調達している。
東証はここ数年海外企業の誘致に動いている。ベンチャーキャピタルの紹介などで有望企業の幹部と面談して東証への上場を売り込んでおり、「アジア企業の成長力を取り込み、市場の活性化を目指している」(永田秀俊上場推進部課長)。