台湾中銀、21年の経済成長率4.53%増に大幅上方修正
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ソース: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM188SN0Y1A310C2000000/
保存日: 2021/03/19 8:54
2021/3/19 2:00
台湾の中央銀行は18日、21年の経済成長率見通しを大幅に上方修正した=ロイター
【台北=中村裕】台湾の中央銀行は18日、定例理事会を開き、2021年の年間の実質経済成長率見通しを、昨年12月予測の前年比3.68%増から4.53%増と、大幅に上方修正した。半導体を中心に設備投資が活発で、輸出も過去最高水準にある。政策金利は現行の1.125%に4会合連続で据え置いた。
理事会後に記者会見した楊金龍・中銀総裁は、上方修正の理由について「(半導体など)電子関連の輸出が伸びており、民間投資と消費も回復している」ことを挙げた。
台湾経済は新型コロナウイルスをきっかけとした世界的なデジタル需要の高まりを受け、得意の半導体を中心に、今後も輸出主導で堅調に推移する見通しだ。
一方、台湾の20年の対米貿易黒字は200億ドルを大きく超えた。さらに台湾中銀は昨年、外国為替市場で391億米ドル(約4兆2600億円)の米ドル買いを行った。米国が為替操作国・地域に認定する判断基準を大きく超え、懸念も強まるが、貿易黒字は米国の旺盛な半導体需要によるところも大きい。楊総裁は「米国とはコミュニケーションを取り続けている」と述べるにとどめた。
米財務省は昨年12月、台湾を通貨政策上の「監視リスト」に入れている。