NY債券、長期債反発 10年債利回り1.60%、FOMC控え持ち高調整の買い
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ソース: https://www.nikkei.com/article/DGXZASH7IAA06_W1A310C2000000/
保存日: 2021/03/16 8:49
2021/3/16 6:21 [有料会員限定]
【NQNニューヨーク=岩本貴子】15日のニューヨーク債券市場で長期債相場は反発した。長期金利の指標である表面利率1.125%の10年物国債利回りは前週末比0.02%低い(価格は高い)1.60%で終えた。米連邦準備理事会(FRB)の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、持ち高調整の買いが入った。
FRBは17日のFOMC後に経済や政策金利見通しを発表する。新型コロナウイルスのワクチンの普及や追加経済対策の成立を受け、見通しがどう変化するか見極めたい投資家は多い。
債券相場の上値は重かった。15日にニューヨーク連銀が発表した3月の製造業景況指数は市場予想を上回って前月から改善した。新型コロナワクチンも普及しており、米景気の回復が続くとの見方から、相対的に安全資産とされる米国債には売りも出た。
銀行の自己資本比率に関連する補完的レバレッジ比率(SLR)の特例措置の延長を巡る不透明さも売り材料となった。FRBは昨年4月、米銀が国債購入や融資を増やしやすくるためにSLRの規制を緩和し、1年間の期限付きで自己資本比率を計算する際の分母から国債と準備預金を外すことを認めた。米銀の国債買いを促す効果があるが、3月末で期限が切れる。延長されなければ米銀が国債を売却し、長期金利が上昇する可能性が警戒された。