「億超え」「4連勝」さんが太鼓判  投資本ベスト10 日経マネー個人投資家調査2024(9) – 日本経済新聞
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ソース: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB288IU0Y4A620C2000000/
保存日: 2024/07/03 17:46
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写真はイメージ=PIXTA

『日経マネー』による毎年恒例の個人投資家調査。2024年は昨年より約4000人も多い1万2000人以上の回答が集まった。この連載では、調査結果から浮かび上がった個人投資家の実像をお届けする。9回目は、1億円以上の資産を持つ「億超えさん」と2021〜23年の3年間と今年1〜3月の4期間に連続して2割以上のリターンを出した「4連勝さん」が、最も参考になったと回答した投資本のベスト10を紹介する。自分に合った1冊を探し出そう。

1位〜5位に入った書籍

投資で「敗者」にならないための方法を知る

1位『敗者のゲーム』
チャールズ・エリス著、鹿毛雄二・鹿毛房子訳
著者は、株式市場ではプロの機関投資家が圧倒的に優位だと説き、個人投資家が「敗者のゲーム」とならないための方法としてインデックス投資を勧める。資金の目標を立て、それを達成するために幅広く分散投資をするなどといった投資の4原則も注目。

発売から50年が経過したインデックス運用の入門書

2位『ウォール街のランダム・ウォーカー』株式投資の不滅の真理
バートン・マルキール著、井手正介訳
「個人投資家にとってインデックス投資がベスト」という主張は初版から一貫している。他の投資法より優れている理由をデータで示して解説。歴史的事例や投資家としての心構えなど幅広い情報を網羅するが、米国人向けに書かれている点は注意したい。

資産について考え直すきっかけになる一冊

3位『金持ち父さん貧乏父さん』アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学
ロバート・キヨサキ著、白根美保子訳
お金の仕組みや正しい使い方について、お金持ちの人と貧乏な人の違いを例に、わかりやすい比較で解説する。会社で働くだけではなくお金に働かせることや、何が本当の資産であるかを理解することが重要であると説く。

伝説のファンドマネジャー清原氏の投資術を学ぶ新刊

4位『わが投資術』市場は誰に微笑むか
清原達郎著
証券会社出身で、投資顧問会社でファンドマネジャーを25年務めた清原達郎氏の投資ノウハウや、失敗談を含めた今までのリアルな投資戦歴を惜しみなく学べる。運用の中心であった小型の割安成長株の魅力や、成長性を見抜くポイントについても解説。

今年永眠された山崎元さん共著のベストセラー

5位『ほったらかし投資術』
山崎元・水瀬ケンイチ著
投資にできるだけ時間をかけず、人生を楽しむという「ほったらかし投資」理論を、エコノミストの故・山崎元氏と投資ブロガーの水瀬ケンイチ氏が解説。最新版ではお薦めのファンドを一新。新NISA対応の折込付録も。

6位〜10位に入った書籍

人気YouTuberがお金の基本をまとめて解説

6位『本当の自由を手に入れる お金の大学』
両@リベ大学長著
人気YouTuberの両@リベ大学長が、固定費の見直し方法から節税、副業での稼ぎ方、投資の基本的な考え方など様々なジャンルのお金についてまとめた本。「貯める・稼ぐ・増やす・守る・使う」という、一生お金に困らないための5つの力を解説する。

配当金の重要性を解説し、バリュー(割安)株投資を提案

7位『株式投資の未来』永続する会社が本当の利益をもたらす
ジェレミー・シーゲル著、瑞穂のりこ訳
本書では「配当こそがリターンの源泉」と説き、割高になりやすい成長株投資ではなく、配当金を再投資して保有株数を増やしていく割安株投資の有効性を説明する。投資の方向性に悩む人への指針となる一冊。

支出を減らして投資する 基本的な考え方を再確認

8位『ジェイソン流お金の増やし方』
厚切りジェイソン著
芸人・IT企業役員として活躍する厚切りジェイソン氏が、実際に15年の投資経験で得たお金を増やす10の方法を紹介。支出を減らすことが第一で、貯めたお金でインデックス投資を始めることを提案する。

プロの模倣ではない、アマチュアが強い投資とは

9位『ピーター・リンチの株で勝つ』アマの知恵でプロを出し抜け
P・リンチ・J・ロスチャイルド著、三原淳雄・土屋安衛訳
著者は「10倍株(テンバガー)」という言葉を広めた伝説のファンドマネジャー。本書では、「プロのまねをするのではなく、アマチュア投資家だからこそ大化け株が発掘できる」と説き、消費者だからこそ成長性に気づけることもあると解説している。 

バフェット氏も推薦の投資哲学の教科書

10位『投資で一番大切な20の教え』賢い投資家になるための隠れた常識
ハワード・マークス著、貫井佳子訳
著者は、「投資で大切なのは割安な銘柄を買うことや相場の波を意識すること」と説く。市場に勝つというのはどういうことなのか、いかにリスク管理を行うかなど、著者の投資哲学が学べる。バフェット氏が絶賛し、株主総会で配布したことでも有名。 
【連載「日経マネー個人投資家調査2024」の最新記事】
• (1)個人投資家、約9割が新NISA利用 1万2000人を調査
• (2)4期連続で大勝ちは一握り 「分散」「売却」が秘訣
• (3)年100万円の「配当長者」投資家2割 株主還元強化で増加
• (4)「資産1億円超」20人に1人 30代前半で達成した人も
• (5)新NISA、個人投資家の過半がつみたてと成長の両使い
• (6)女性投資家は4人に1人 「将来不安」から投資
• (7)暗号資産や未公開株、個人投資家も新型投資に興味津々
• (8)個人投資家、米大統領選でもNVIDIAとトヨタに注目
(勝間美月)
[日経マネー2024年8月号の記事を再構成]

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