NYダウ平均続落、250ドル安 金利上昇やFRB議長発言受け – 日本経済新聞
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ソース: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN00001_Q3A021C2000000/
保存日: 2023/10/20 8:01

2023年10月20日 5:16

【NQNニューヨーク=横内理恵】19日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比250ドル91セント(0.74%)安の3万3414ドル17セントで終えた。米長期金利の上昇が続き、米景気の先行き不透明感や株式の相対的な割高感が意識された。
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米長期金利は一時、前日比0.08%高い4.99%(前日終値は4.91%)と2007年以来の高水準に上昇し、節目の5%に迫った。朝方発表の週間の米新規失業保険申請件数が市場予想を下回った。今週発表の9月の米小売売上高や米住宅着工件数なども市場予想以上の伸びとなり、米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めが長期化するとの観測が強まっている。
パウエルFRB議長は19日の講演で、米経済次第で「さらなる金融引き締めが正当化される可能性がある」との考えを示した。その後に参加した討議では経済状況は「(金融政策が)引き締めすぎだと示していない」と指摘した。
議長が政策判断を「慎重に進める」と述べたことで、次回や12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ観測が後退したとの見方があった。ダウ平均は180ドルあまり上昇する場面があった。ただ、「今後の金融政策の明確な方向性を示したとは言えず、市場の不透明感は強い」(CFRAのサム・ストーバル氏)との指摘もあり、買いは続かなかった。
米長期金利の上昇の勢いは鈍らず、株式相場は引けにかけてに下げ幅を広げた。建機のキャタピラーや航空機のボーイングなどの景気敏感株、映画・娯楽のウォルト・ディズニーなどの消費関連株が売られた。
一方、顧客情報管理のセールスフォースが上昇した。外食のマクドナルドや飲料のコカ・コーラといったディフェンシブ株の一部にも買いが入った。通信のベライゾン・コミュニケーションズも上げた。19日発表の四半期決算で1株利益などが市場予想を上回った同業のAT&Tが大幅上昇し、連れ高した。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3日続落し、前日比128.127ポイント(0.96%)安の1万3186.175で終えた。18日夕に発表した四半期決算で1株利益などが市場予想に届かなかった電気自動車のテスラが大幅安だった。一方、18日夕の決算を受けて業績改善期待が強まった動画配信のネットフリックスは急伸した。
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• ひとこと解説米国債利回りは19日も上昇余地を模索。ニューヨーク経済クラブでのパウエルFRB議長の発言には、市場金利の急上昇に対してこれをけん制するようなメッセージは見出されなかった。米10年債利回りは通常の取引時間帯に4.99%まで上昇。その後、5%台に乗せたと報じられた。米2年債は一時5.25%まで売り込まれ、米5年債利回りは5%へとさらに近づいた。この日発表された最新週(10月14日までの週)の新規失業保険申請件数(イニシャルクレーム)は19万8000件に減少(前週比▲1万3000件)。4週移動平均は20万5750件である7週連続の水準切り下げ)。この週は10月雇用統計・事業所調査の調査対象週である。