そして3極に割れた世界 協調嫌がる「中立パワー」台頭
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ソース: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD22A350S2A620C2000000/
保存日: 2022/06/28 7:46

世界秩序の変化に、日本は最も鈍い主要国の1つだろう。侵略されたら米国に守ってもらえるという、際だった「特権」に包まれているからだ。日本政府も米国主導の秩序が続く前提に立ち、国家戦略を組み立てる。
この路線は決して間違っていない。ただ、米国主導の秩序がいつまで持続できるのか、冷静に分析することも急務になってきた。

壊れる米主導の秩序

ロシアのウクライナ侵略が2月24日に始まってから、約4カ月。この…
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• ひとこと解説先進国が考えているほど、先進国の側に支持が集まらないということは大切な指摘。ただ、中露側も一枚岩でもないし、「陣営」と呼べるほどの全体のアクションもない。図表を見ると、人口などの数値から、中国がロシア支持ではなく、ロシア寄りに分類されていることがわかる。全体から見て中立は多くないように見えるが、「・・・寄り」も中立だとすると、中立は相当な勢力になる。中国はその広義の中立の側に一面でたち、他面でロシア寄りを表現するだろう。日本としては、こうした中立国、可能なら広義の中立国とどれだけきめ細やかに対話できるかも勝負になる。G7で唯一のアジアの国だからこそそうした役割が一層求められよう。


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長年、外交・安全保障を取材してきた。東京を拠点とし、北京とワシントンの駐在経験も。北京では鄧小平氏死去、ワシントンではイラク戦争などに遭遇した。著書に「暗流 米中日外交三国志」「乱流 米中日安全保障三国志」。
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