米住宅ローン金利5%に 11年ぶり高水準 申請は急減 (写真=AP)
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ソース: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN14EH30U2A410C2000000/
保存日: 2022/04/15 8:11

住宅ローン金利の上昇が続いている(米ペンシルベニア州)=AP

【ニューヨーク=大島有美子】米長期金利の上昇を受け、住宅ローン金利が急騰している。米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)によると、4月8~14日の週に30年固定金利(平均)は5%となった。5%台に乗せるのは2011年2月以来、11年2カ月ぶり。住宅ローンの申請件数は足元で前年比4割減の水準まで減った。高騰が続く住宅価格とローン金利の上昇で、家が買いにくい状況となっている。
住宅ローンの代表的な指標である30年固定物の金利は1月以降、1.8ポイント上昇した。フレディマックのチーフエコノミスト、サム・カーター氏は「ローン金利が上がり、住宅価格も上がり、住宅の在庫不足も重なるなか、住宅購入が最も高くつく世代を迎えている」と指摘した。

新型コロナウイルス下に入った2020年3月以降、米連邦準備理事会(FRB)によるゼロ金利政策によって、住宅ローン金利は歴史的な低水準となっていた。同年12月には30年固定で2.6%台と、遡れる1971年以来最低をつけた。
低金利は住宅購入やローンの借り換えを促し、住宅ローン申請はコロナ下で急増した。米抵当銀行協会(MBA)によると、週ごとの申請件数は20年3月に前年比3倍にまで膨らんだ。高水準で推移してきたローン申請件数だが、1月以降は前年同期を4割下回る水準が続いている。4月2~8日の週は、19年3月以来、約3年ぶりの低水準となった。

MBAのチーフエコノミスト、マイク・フラタントニ氏は「ローン金利の急上昇が住宅市場に冷や水を浴びせるだろう」と指摘する。全米不動産協会(NAR)がまとめる2月の中古住宅販売件数は602万戸(季節調整済み、年率換算)で、前年同月比2%減少した。6カ月連続で減少が続いている。
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