Apple、取引先従業員10万人の能力開発へ 60億円の基金(写真=ロイター)
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ソース: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN303T90Q2A330C2000000/
保存日: 2022/03/31 8:04

アップルは23年までに新基金を通じた研修活動に10万人超が参加すると見込んでいる=ロイター

【シリコンバレー=白石武志】米アップルは30日、サプライヤーの従業員にスキル開発の機会を提供する総額5000万ドル(約60億円)の基金を設けると発表した。当初は米国と中国、インド、ベトナムの従業員を対象にコーディングやロボット工学などの研修を用意する。2023年までに10万人超の参加を見込んでいる。
アップルはこれまでもスマートフォン「iPhone」やパソコン「Mac」などのサプライチェーン(供給網)で働く労働者らに同社のプログラミング言語「Swift」の学習機会などを提供してきた。新たな基金の立ち上げによって研修内容の幅を広げるとともに、各地域の教育機関との連携を深める。
5000万ドルの基金の一部はサプライヤーで働く従業員らの権利保護活動にも充てる。例えば国連の国際移住機関(IOM)と協力して開発した出稼ぎ労働者らの強制労働などを防ぐ仕組みをアップルのサプライチェーン全体に広げる。
アップルが3月に開いた株主総会では、取引先を含む従業員の人権問題について独立した監査を求める株主提案が賛成多数で可決した。一部のサプライヤーが中国・新疆ウイグル自治区の強制労働を利用しているとされる問題をめぐっても、一部の株主らから情報の透明性を高めるよう迫られていた。
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