Amazonが株式分割 自社株買いは最大100億ドルに
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ソース: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN100J60Q2A310C2000000/
保存日: 2022/03/11 8:01
アマゾン・ドット・コムの株式分割は約23年ぶりになる。
【シリコンバレー=奥平和行】米アマゾン・ドット・コムは9日、株式分割を実施すると発表した。5月27日時点の株主が保有する1株を20株にする。同社の株式分割は約23年ぶりになる。自社株買いの限度額を現行の50億ドル(約5800億円)から100億ドルに引き上げることも併せて公表し、株主を重視する姿勢を強めている。
株式分割により最低投資金額を引き下げ、より多くの投資家を呼び込むことを狙っているもようだ。一連の取り組みが好感され、9日の米株式市場の時間外取引でアマゾンの株価は一時、同日終値よりも9%超上昇した。
新型コロナウイルスの流行に伴いインターネット通信販売の需要が拡大し、アマゾンの業績を押し上げた。一方、足元では多くの地域でコロナの影響が薄くなり、同社の成長も鈍化していた。さらにガソリン高が物流費の上昇につながる懸念も強まっている。アマゾンの株価は年初に比べ、20%近く下落していた。
米IT(情報技術)業界ではアップルが2020年8月、1株を4株にする株式分割を実施して株価の上昇につなげた。グーグルの持ち株会社であるアルファベットも今年2月、7月に1株を20株に分割する計画を公表している。アマゾンは1999年9月に1株を2株に分割したのが最後だった。
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• ひとこと解説当然に場外で株価は大きく高騰しているが、タイミングについては市場全体にベア相場で同社株もほぼこの2年分の上昇がはげ落ちているゆえ、少しなだらかな株価形成とする狙いなのだろうと推察される。 1株30万円程とコロナ期に大量に増えた所謂ロビンフッダーのような個人投資家には手が出しづらい価格ゆえ分割は是だろうが自社株買いはどうだろうか。 先日の決算ではコマース部門が国際部門はもとより北米すらも再び赤字に転落している。しばらく投資フェーズが続きそうだし新規事業フロンティアも多数走っている。果たして自社株買いにキャッシュフローを振り向ける事の是非は、しばらくたって市場が評価する事だろう。
• 分析・考察アマゾンのジェフベゾスは長年「アマゾンに対しては営業利益や同利益率ではなく、中長期の成長やキャッシュフローを見てほしい」と言い続けマーケットや投資家に対して成長への投資を優先することに理解を求めてきました。今回の株式分割と巨額の自社株買いは、同社が「超成長企業」から「成長企業」になったことを示しているものと分析されます。ベゾスは自分がCEOの時には絶対にやりたくなかった「株主対策」だと思います。また偶然だと思いますが、米下院が「Amazonの証言調査を」と司法省に要請したというニュースと同日の発表。長年同社をWatchしてきた自分としては大きな変化が起きていることを体感しています。
2022年3月10日 10:41 (2022年3月10日 10:44更新)