中国CATL、EV電池交換に参入 1分でフル充電状態
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ソース: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM187BH0Y2A110C2000000/
保存日: 2022/01/19 8:06

CATLが設置する電池交換ステーションのイメージ(18日のオンライン発表会動画より)

【広州=川上尚志】中国の車載電池最大手、寧徳時代新能源科技(CATL)は18日、電気自動車(EV)向けの電池交換サービスに参入すると発表した。中国内でステーションを設置し、EVで乗り込むと、約1分でフル充電した電池に交換できるようにする。
サービス開始時期や料金は公表していないが、まず国有自動車大手の中国第一汽車集団の乗用車ブランド「奔騰」がこのサービスに対応する車両を投入する予定。他の自動車メーカーなどにも参画を呼び掛けていく。
CATLの全額出資子会社、時代電服(CAES)が「EVOGO」の名称でサービスを始める。今後、中国で10都市を選び、ステーションを設置する。交換する電池は航続距離が最大で200キロメートル、400キロメートル、600キロメートルから選べる。
CAESの陳偉峰・総経理はオンライン発表会で「より多くのパートナーとともに、エネルギーの新たなエコシステムを築きたい」と述べ、電池交換サービスに対応する自動車ブランドを順次、公開すると説明した。
EVの電池交換サービスは、充電スタンドを利用する場合に比べ大幅に充電時間を短縮できる利点がある。中国ではEVの急速な増加で、充電インフラの整備が課題になっている。中国政府は電池交換サービスを普及させる方針で、今後は通常の充電スタンドを補う形で整備が進む見通しだ。
中国の自動車関連の業界団体によると、中国には2021年末時点で北京市や広東省、浙江省などに合計1298カ所の乗用車向けの電池交換ステーションがある。新興EVメーカーの上海蔚来汽車(NIO)が先行して設置を広げており、NIOだけで789カ所と全体の6割を占める。