NY原油、2カ月ぶり高値 在庫低下で(写真=ロイター)
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ソース: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN12DJ70S2A110C2000000/
保存日: 2022/01/13 7:54

原油相場の上昇は米バイデン政権への批判に直結しやすくなっている=ロイター

【ヒューストン=花房良祐】米ニューヨーク市場の原油先物は12日、前日比1.8%高の1バレル82ドル台となった。米国の原油在庫が2018年以来の低水準となり、需要は底堅いとして買われ2カ月ぶりの高値になった。
米エネルギー情報局(EIA)が12日発表した週間の原油在庫の統計は、前週比460万バレル減の4億1330万バレルとなり、18年10月以来の低水準となった。新型コロナウイルスの「オミクロン型」が経済に与える影響は限定的とのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の11日の発言を受け、原油の需給が引き締まるとの見方が市場で強まった。
米国のインフレ率が39年半ぶりの高水準となったことでコモデティ価格が上昇しやすくなるとの思惑や、外国為替市場で主要通貨に対してドル安が進んだこともドル建てで取引される原油相場を押し上げた。
ニューヨークの原油先物価格はオミクロン型の発生で需要が減るとの見方から21年12月初旬には60ドル台半ばまで低下したが、カザフスタンの政情混乱やリビアの生産量低下などを受け、同月初旬から2割以上上昇した。
全米自動車協会(AAA)によると、足元の米国の平均ガソリン価格は1ガロン3.3ドルで、1年前より約1ドル高い水準だ。
米国の天然ガス価格も12日、前日比約14%上昇し、100万英国熱量単位(BTU)あたり約4.8ドルと21年11月以来の高水準となった。北部の気温が低下し、暖房需要が増加したため。
22年11月に中間選挙を控えるバイデン政権は有権者の関心が高いエネルギー価格を注視しており、野党・共和党が政権批判を高める可能性もある。