ゴールドマンのコーエン氏引退、90年代の著名「強気派」(写真=ロイター)
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ソース: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN20D4K0Q1A221C2000000/
保存日: 2021/12/21 8:12

強気派ストラテジストとして知られたコーエン氏(15年)=ロイター

【ニューヨーク=宮本岳則】米ゴールドマン・サックスは20日、著名ストラテジストのアビー・コーエン氏(69)が12月末で引退すると発表した。IT(情報技術)株ブームで沸いた1990年代にいち早く株高を予想し、ウォール街を代表する「強気派」として知られるようになった。一線から退いた後も、米経済や株式相場への見通しを定期的に発信し、市場関係者から一目置かれていた。
コーエン氏は現在、シニア投資ストラテジストとして顧客に情報を提供している。22年1月、米コロンビア大のビジネススクール教授に就任する予定だ。
コーエン氏は米連邦準備理事会(FRB)や米大手運用会社ティー・ロウ・プライスなどを経て、90年にゴールドマンに入社した。投資政策委員会の共同議長として、世界中に株式市場の見通しを発信した。98年には上級幹部職「パートナー」に昇格するなど、ウォール街における女性活躍の先駆けとなった。同氏のキャリアは米ハーバード経営大学院のケーススタディーにも採用された。
コーエン氏は90年代初頭、ウォール街のストラテジストの中でいち早く米国株高を予想した。ITバブルにつながる歴史的な強気相場を言い当てたことで、同氏の名声は高まり、「ウォール街の予言者」(ブルームバーグ通信)と呼ばれることもあった。ただし08年の金融危機は予見できず、同年にS&P500種株価指数の予測担当を後任のデービッド・コスティン氏に譲った。