NYダウ反発383ドル高、FOMC通過で買い安心感(写真=AP)
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ソース: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN00001_W1A211C2000000/
保存日: 2021/12/16 7:44

2021年12月16日 5:14

【NQNニューヨーク=古江敦子】15日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発し、前日比383ドル25セント(1.1%)高の3万5927ドル43セントで終えた。米連邦準備理事会(FRB)は15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)でテーパリング(量的緩和の縮小)加速を決め、来年の利上げ回数を従来の1回から3回に増やすとの予想を示した。ほぼ市場の想定内の結果と受け止められ、FOMCを通過した安心感から買いが優勢となった。
朝は売り先行で始まった。FOMCを控えて積極的な買いが手控えられたほか、11月の米小売売上高が前月比0.3%増と市場予想(0.8%増)を下回ったのを嫌気した売りが出た。
午後2時にFRBがFOMC結果を発表すると、相場は上昇に転じた。FRBは来年1月から新規の資産購入額を月300億ドルずつ減らす方針を決め、減額幅は11月に決めた月150億ドルから2倍に拡大した。高インフレの長期化を受け、予想通り、声明では物価押し上げ要因は「一時的」との表現を削除した。
会合後の記者会見でパウエルFRB議長は利上げ時期について明言を避けた。市場では「来年の利上げは米経済の回復ペース次第と慎重姿勢を見せ、株式の買い安心感につながった」(ナショナル・セキュリティーズのアート・ホーガン氏)との声が聞かれた。
FOMCを受けて長期金利は上昇したが、1.46%近辺と前日終値(1.44%)に比べて小幅の上昇で推移した。長期金利の落ち着きを受け、ハイテク株など高PER(株価収益率)銘柄への買いにつながった。
スマートフォンのアップルやソフトウエアのマイクロソフト、顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムが高い。医療保険のユナイテッドヘルス・グループや製薬のメルクなどディフェンシブ銘柄も上昇した。クレジットカードのビザや映画・娯楽のウォルト・ディズニー、工業製品・事務用品のスリーエムなど景気敏感株の一角にも買いが広がった。
ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数も3営業日ぶりに反発し、前日比327.943ポイント(2.2%)高の1万5565.583で終えた。交流サイトのメタプラットフォームズ(旧フェイスブック)やネット通販のアマゾン・ドット・コムなど主力株が上昇。このところ軟調だったエヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など半導体株も大幅高となった。
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• ひとこと解説泣いたカラスがもう笑った。米国株の値動きはそんな感じです。ひとつの注目点は物価上昇率>金利という金融環境。 FOMCは2022年3回、23年3回、24年2回の利上げ見通しを示しましたが、それでもしばらくは物価上昇率を差し引いた実質金利がマイナスの状況が続く。実質マイナス金利の下では、おカネの価値が下がり、モノの価値が上がる。モノの中に企業収益も含まれる。株式市場がはじいたのはそんなソロバンでしょう。

2021年12月16日 7:30 (2021年12月16日 7:39更新)