米国株、ダウ反発し534ドル高 市場予想上回る企業決算相次ぐ インフレ懸念後退も支え
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ソース: https://www.nikkei.com/article/DGXZASB7IAA05_V11C21A0000000/
保存日: 2021/10/15 8:06

【NQNニューヨーク=戸部実華】14日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反発し、前日比534ドル75セント(1.6%)高の3万4912ドル56セントで終えた。市場予想を上回る米主要企業の決算発表が相次ぎ、投資家心理が改善した。朝方発表の米経済指標を受け、過度なインフレや景気減速への懸念が後退したことも、株式の買い安心感につながった。
ドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスが7%強上げた。14日朝に発表した2021年6~8月期決算が市場予想を上回ったうえ、併せて発表した医療サービス企業への出資拡大など成長戦略も好感された。医療保険のユナイテッドヘルス・グループは市場予想以上の7~9月期決算と通期予想の上方修正を受け、4%高だった。同社は1銘柄でダウ平均を110ドル押し上げた。
今月下旬に決算発表を予定する建機のキャタピラーは、アナリストの買い推奨リポートを受けて3%近く上昇した。ダウ平均の構成銘柄以外では市場予想を上回る7~9月期決算を発表した金融のバンク・オブ・アメリカとモルガン・スタンレーが買われた。
14日発表の週間の米新規失業保険申請件数が前週から減り、29.3万件と市場予想(31.8万件)を下回った。雇用回復が進んでいるとの見方が広がった。同日発表の9月の卸売物価指数(PPI)は前月比0.5%上昇と、伸びは8月(0.7%)から鈍化し、市場予想(0.6%)も下回った。先行きのインフレ懸念が和らいだ。
PPIを受けて米債券市場で米長期金利は一時1.50%(前日終値は1.53%)に低下し、株買いを後押しした。長期金利が低下すると相対的な割高感が和らぐハイテクなど高PER(株価収益率)銘柄に買いが入り、ソフトウエアのマイクロソフトやスマートフォンのアップル、顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムが高い。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続伸した。前日比251.794ポイント(1.7%)高の1万4823.429で終えた。検索サイトのアルファベットや交流サイトのフェイスブックなど主力株が買われた。半導体受託生産大手の台湾積体電路製造(TSMC)が14日に発表した好決算を受け、業績期待からエヌビディアやインテルなど半導体株への買いが目立った。