ノルウェー中銀が利上げ 経済再開で脱ゼロ金利(写真=ロイター)
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ソース: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR2341C0T20C21A9000000/
保存日: 2021/09/24 7:57
2021年9月23日 23:17
【ベルリン=石川潤】ノルウェー中央銀行は23日、政策金利をこれまでのゼロから0.25%に引き上げると発表した。ノルウェーでは経済再開で景気回復が進み、経済活動はすでに危機前を上回る水準に高まっている。物価上昇の基調自体はまだ弱いが、景気回復や賃上げなどによって目標の2%に向けて押し上げられていくと判断した。利上げの動きが先進国にも広がってきた。
ノルウェー中銀のオルセン総裁は声明文で「経済の正常化は、政策金利の漸進的な正常化を始めることが適切だと示している」と指摘した。今回の利上げは全員一致。オルセン氏によると「政策金利は12月にさらに引き上げられる可能性が高い」という。
今回の利上げの背景には、景気回復が進むなかで、これ以上異例の金融政策を正当化することは難しいという考えがある。金融の不均衡の拡大を抑え、かつ市場の動揺を避けるためには、緩やかに利上げを進めることが最適と判断した。
各国で金融政策の正常化の動きが広がっている。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は22日、量的緩和の縮小開始を11月にも決めると表明した。欧州中央銀行(ECB)も9日に債券購入ペースを落とすことを決めた。チェコや韓国、アイスランドなども利上げを進めている。
景気回復や物価上昇が勢いづくなかで、緩和縮小が後手に回るリスクに目が向き始めている。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大などの不安材料もあるため、各国とも慎重に緩和縮小を進めていく構えだ。
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