勝ち組投資家の5つの特徴 長期・分散、急落時に出動
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ソース: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOMC215XE0R20C21A6000000/
保存日: 2021/06/24 8:03
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2021年6月23日 2:00
日経マネーが毎年実施している「個人投資家調査」。今年は4月15日~5月7日にかけてウェブで実施し、2万5544人の回答を得た。今回は調査結果から「勝ち組投資家」の運用の特徴を分析する。
相場で勝ち続ける投資家にはどのような特徴があるのだろうか。「個人投資家調査」の結果から、長期にわたってプラスの運用成績を上げ続けている投資家と、マイナスの成績が続いている投資家の違いを分析した。
具体的には、リスク資産への投資歴が3年以上の回答者(1万2572人)のうち、2018~21年の4年間(21年は1~3月)のリスク資産の運用成績が全てプラスの投資家を「4連勝投資家」(4000人)、全てマイナスの投資家を「4連敗投資家」(1053人)として、それぞれの運用の特徴を調べた。その結果、4連勝投資家には5つの大きな特徴が見られた。
勝ち組は海外資産の保有が多い
1つ目の特徴は、「海外資産の保有が多い」こと。4連勝投資家と4連敗投資家の保有資産を見ると、どちらも日本株が約80%で最も多いが、4連勝投資家は先進国株の保有率(個別株24.6%、投信・ETF37.9%)が4連敗投資家(個別株12.5%、投信・ETF14.6%)を大きく上回った。投資スタイルを見ても、4連勝投資家は「国際分散投資」や「先進国株投資」が上位に入った。
海外資産への投資は為替リスクを伴うため、投資初心者は手を出しづらいかもしれない。しかし、今回の調査結果からは、国内資産だけでなく海外資産への投資も行った方が安定的に勝ちやすくなると言えそうだ。
長期投資が勝ちやすい
2つ目の特徴は、「長期投資派が多い」こと。銘柄の平均保有期間を比べると、4連勝投資家は6カ月未満の人が合計15.1%で、4連敗投資家(22.3%)に比べて少なく、長期投資志向が強い結果になった。
また、積み立て投資を行っている人の割合を見ると、4連勝投資家は58.7%と半数以上が行っているのに対し、4連敗投資家は33.8%にとどまった。
これらの結果から、積み立て投資などを活用した長期投資が安定的に勝ちやすいと推測できる。
銘柄分散を心がける
勝ち続ける人の3つ目の特徴は、「銘柄を分散させている」こと。
保有銘柄数を比較すると、4連敗投資家は銘柄数が非常に少ない人が多く、「1~5銘柄」が45.1%を占めた。一方、4連勝投資家は約半数の人が10銘柄以上保有し、30銘柄以上保有する人も17.0%いた。
保有銘柄が少ない場合、特定の銘柄が不調になると運用成績が一気に悪化してしまう。銘柄にほれ込んで、適切な損切りができなくなるといったリスクもある。分散投資を心掛けることが安定勝ちの秘訣と言えそうだ。
銘柄選びは「成長」「配当」「割安」
銘柄選びの際に重視する項目を聞いた(最大3つまで回答)。4連勝投資家が重視するのは、「成長性」が最も多く51.5%、そして「高配当」「割安」が続いた。この3つは得票率が40%を超え、銘柄選びの重要ポイントと考えられる。一方、4連敗投資家も同様の傾向だったが、「金融機関や専門家の推奨」が14.5%と高い点が目を引いた。
相場急落時は買い向かう
5つ目の特徴は、相場急落時の対応だ。4連勝投資家は、全体相場がショック安に見舞われた時に、積極的に買い向かう姿勢が鮮明だった。コロナショック時の対応を聞くと、4連勝投資家は「リスク資産を増やした」と回答した人が77.3%だった。一方、4連敗投資家は「様子見」が35.0%と多かった。
相場急落時にリスクを取って買い出動することは、長期的に見ると良いパフォーマンスを生む結果につながりやすいようだ。ただ、急落時にスムーズに買い出動するには、普段から狙い目の銘柄をリストアップしたり、適切な資金管理を行ったりするといった準備が必要になる。
(市田憲司)
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• ひとこと解説投資をいかに上手に活用するのか、身に付けたいノウハウでありテクニックなのですが、投資は普通の生活をしている人にとってはどうしても敷居の高さを感じるようです。しかし、今回の記事による分析からもわかるように、基本は長期(積み立てを含めて)、分散(国内か国外か、銘柄など)にあります。そのため、つみたてNISAやiDeCoを通じて投資の基本を身に付け、投資が日々の生活の中で染み込むようになることが期待されているのではないかと考えております。
• ひとこと解説海外資産とは、はっきり言えば米国株ですね。裏を返せば日本株ばかりで資産形成しても、未だに30年前の株価に遠く及ばず、その間も山谷が激しいので資産形成にならないという、日本の産業政策の失敗と日本人個々人の懐事情がリンクする形となってしまってますし、逆にアメリカは短期の調整はあれどほぼ一貫して右肩上がりで世界一強なのは、コンピューティングや金融を中心に産業集積の結果です。
2021年6月23日 10:24 (2021年6月23日 10:25更新)