ソフトバンクG純利益4.9兆円、国内最大 21年3月期
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ソース: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB1156P0R10C21A5000000/
保存日:2021/5/12 2:00 (2021/5/12 5:37 更新) [有料会員限定]

20年の純利益でアップル、サウジアラムコに次ぐ規模となったソフトバンクグループ

ソフトバンクグループ(SBG)の2021年3月期の純利益が4兆9000億円強になったことが分かった。世界の有望ベンチャーに投資する「ビジョン・ファンド」事業が株高の恩恵を受け、投資先企業の評価が上がった。

■米マイクロソフト超え

SBGは12日に決算を発表する。国内企業では過去最高の利益水準を達成したもようだ。直近の本決算で純利益をみると、世界1位は米アップル(QUICK・ファクトセットの円換算値で6兆1905億円)、2位はサウジアラビア国営石油会社サウジアラムコ(5兆2618億円)。SBGは米マイクロソフト(4兆7882億円)を超えて3位に入ったようだ。

SBGは投資事業が主軸で、業績は市場環境に左右されやすい。新型コロナウイルスの影響で環境が悪化した20年3月期は、過去最大となる9615億円の赤字だった。

21年3月期は米料理宅配のドアダッシュや韓国電子商取引(EC)のクーパンなどが上場した。市場で高値が付き、利益を押し上げた。

決算を締めた直後の4月時点では、純利益が4兆円台半ばで着地するとの見方があった。その後、中国配車アプリの滴滴出行(ディディ)や東南アジアのグラブなど未上場企業の評価額が上振れ、利益が数千億円規模で膨らんだようだ。新型コロナウイルスの影響で生活や企業活動のデジタル化が加速し、SBGが投資するIT(情報技術)関連企業の成長期待が高まっている。

足元で複数の投資先企業が上場準備に入っている。上場に伴って評価額が増えれば22年3月期利益の押し上げ材料になる。もっとも株式市場の動向や、未上場企業の評価額は金融環境に大きく左右されるため、再び業績が低迷する恐れもある。