シャオミ、中国半導体への出資加速 供給網分断に拍車(写真=ロイター)
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ソース: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM028HP0S1A400C2000000/
保存日:2021/4/2 20:28 [有料会員限定]
【台北=鄭婷方、黎子荷】中国スマートフォン大手の小米(シャオミ)が、中国半導体企業への投資を加速させていることがわかった。2019年以降で少なくとも34社を買収したり出資比率を引き上げたりしている。半導体の内製化が加速すれば、世界的なサプライチェーン(供給網)の分断が進む可能性がある。
シャオミの2020年通年のスマホ出荷台数は世界4位(ウクライナにある同社の店舗)=ロイター
シャオミが出資した半導体関連企業には、無線通信用の半導体を開発する恒玄科技や、人工知能(AI)用半導体開発の北京晶視智能科技などがある。
米インテルなど、米国勢が先行する分野で成長する中国企業への投資が目立つ。米企業の技術や製品への依存度を下げ、スマートフォン部品の安定的な調達につなげようとするシャオミの狙いが透ける。
米調査会社IDCによると、シャオミは20年通年のスマートフォン出荷台数におけるシェアで世界4位。四半期ベースでみると、米アップルを上回る期もあった。
背景には米中関係の悪化がある。米政府の制裁により中国通信機器・スマホ大手の華為技術(ファーウェイ)は米国技術を使った半導体の調達ができなくなるなど、対立が激化している。世界的な供給網から締め出されたファーウェイを教訓に、シャオミは中国ハイテク企業への投資を加速しているようだ。
供給網を再構築し、主要部品を内製化する動きはほかの中国ハイテク企業にもみられる。ファーウェイは直近1年半の間に20以上の半導体関連企業に出資したほか、電子商取引(EC)大手のアリババ集団やネット検索大手の百度(バイドゥ)も独自のAI半導体を開発するなど半導体分野に力を入れている。